見出し画像

ニュースなスペイン語 Madrid:マドリード

今月スペインで開催されるイベントをめぐり、マドリードでは明暗が分かれた。

8日は「国際女性デー(Día Internacional de las Mujeres)」だ。毎年、女性の権利を訴えるデモがスペイン各地で、開催されるが、今年は、すべてのデモ(manifestaciones)や集会(concentraciones)を禁止する決定を下したと、4日、官公庁(Delagación)が発表した。

官公庁長官のホセ・マヌエル・フランコ(José Manuel Franco)は記者会見で、市民に「感染拡大を食い止めるため、慎重さ、責任感、良識(prudencia, responsabilidad y sentido común" para "parar los contagios y acabar con la pandemia)」を求め、「公衆衛生(salud pública)」保全のための禁止であるとし、理解を求めた。

官公庁は、人出の試算を行ったところ、「ゆうに6万人は超えた(Podíamos tener fácilmente a más de 60.000 personas)」らしい。マドリード市だけで104のデモの申請があり、その内70%が国際女性デーに関わるものだった。

ちょうど1週間前の2月26日、フランコは「500人を超えるデモを認めない」との判断を示していたが、一変、デモは全面禁止となった。女性団体からの反応は、今のところ、出ていない。

さて、デモの禁止が「暗」なら、マドリード州知事イサベル・ディアス・アジューソ(Isabel Díaz Ayuso)の次の発言は「明」とでるか。曰く、

私はスペインの他の地域や他国から観光客が来て、美術館などに足を運んでいただいたり、レストランを使って経済を回していただくことは悪いことだとは思ってません。もちろん、衛生上の勧告を、いついかなる場合も守っていただきますが(No veo mal si hay ciudadanos de otros rincones de España o turistas de otros países que vienen a nuestros museos, o a mover la economía a través de los restaurantes, siempre que se cumplan y en todo momento las recomendaciones sanitarias)。

今月末から始まる聖週間(Semana Santa)を前に、アジューソは記者団を前に、このように応じた。聖週間のあいだ、他の自治州とは違い、マドリード州を開放することに前向きな立場を表明したのだ。

ただ、同州副知事イグナシオ・アグアド(Ignacio Aguado)が「個人的な見解(una opinión personal)」としながらも、「ワクチン接種をした人は全員、国内を自由に往来できればよい( todas las personas vacunadas del coronavirus deberían poder moverse libremente por todo el país)」などと発言したことに対して、アジューソは、まだマドリードの厚生局長(consejero)エンリケ・ルイス・エスクデロ(Enrique Ruiz Escudero)に話を通していないとし、釘を刺した。あくまでも、マドリード州限定にこだわるアジューソだ。

写真はマドリードのシンボル「クマとヤマモモの木(Oso y Madroño)」。