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11/2 ニュースなスペイン語 Ley de amnistía:恩赦法

国営放送(rtve)のニュースサイトはレオノール王女(Princesa Leonor)の話題で持ちきりだが、そんな中、しれっと重大な合意(acuerdo)がまとまった。

臨時首相(Presidente del Gobierno en funciones)であるペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)とカタルーニャ州知事(Presidente de la Generalitat de Cataluña)であるペラ・アラゴネス(Pere Aragonès)は、恩赦法の内容について、火曜日、合意に達したと共同声明(comunicado conjunto)の中で発表した。

両首脳は火曜日の午後、電話会談を行い(conversan telefónicamente)、恩赦法についての最後の詳細を詰めた(desbloquean los últimos detalles)という。

そして、サンチェスの首相就任を支持するための交渉条件についても(un pacto para apoyar la investidura)、調整は完全に終わった(cierre definitivo)と発表した。

小生は、恩赦法を、2017年10月1日に違法な住民投票(referéndum ilegal)を行った当時のカタルーニャ州知事カルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)らの恩赦を定める法律だろう、と(今のところ)理解しているが、実は、何か具体的な法案や条項を見たことがない。

恩赦については、小欄でも度々取り上げているが、スペイン社会労働党(PSOE)がカタルーニャ州の共和主義左翼(ERC)やジュンツ(Junts)といった独立派の地方政党の支持を取り付けるためにちらつかせている最終兵器。

サンチェスはもとより、アラゴネスも、恩赦法に対する期待は頂点に達し(colmadas sus expectativas)、互いの政治的な信条は守られた(satisfechos sus principios políticos)と声明で述べいて、両者、かなり、ご満悦の様子。

もう一方の独立派ジュンツとは、いくつか未解決の問題がある(quedan algunos flecos que resolver)ので、交渉は継続中(Siguen las negociaciones con Junts)としながらも、良い方向に進んでいる(avanzan en la buena dirección)とサンチェス陣営は自信をのぞかせる。

そんなわけで、左派連合スマール(Sumar)をはじめ、カタルーニャ州の独立派(ERC/Junts)、バスク州の地方政党(EH Bildu/PNV)などの大小さまざまな政党からの支持を得たサンチェスは、週明けに、1回目の投票で首相に返り咲くシナリオを描いているらしい(2回目は要らないみたい)。

恩赦をエサに独立派の支持を得てまで首相再選を目指すサンチェスを、当たり前だが、国民党(PP)は苦々しく見ている。

同党の幹事長(Secretaria general)のクカ・ガマラ(Cuca Gamarra)は、SNSで、サンチェスとアラゴネスの合意を「闇夜に隠れて、こそこそと計画を立ててきた結果(con nocturnidad y alevosía)」と批判。

独立派については、「罪を犯したあの人物らは、またもや、同じことをやろうとしている(Los mismos que cometieron el delito están redactando el borrón y cuenta nueva)」と批判。

そして、「独立派に屈服した社会労働党。サンチェスの野心は党名の4字を食い尽くした(Y el PSOE, arrodillado. La ambición de Sánchez ha engullido sus siglas)」と痛烈な批判を残し、SNSを締めくくった。

まぁ、サンチェス陣営はこんな批判は痛くもかゆくもないだろうけどね。

いよいよ、サンチェスは首相へのゴールへの最終コーナーにさしかかった。

写真はサンチェス(左)とアラゴネス。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231031/psoe-erc-alcanzan-acuerdo-ley-amnistia/2459788.shtml