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7/25 ニュースなスペイン語 Desplome de Vox:ボックス凋落

主要政党の中で、今回の総選挙(elecciones generales)によって、一番の辛酸をなめたのが極右政党のボックス(Vox)。

昨日の小欄でも触れたが、スペイン社会労働党(PSOE)は事前の世論調査(sondeo)の予想を上回る得票率。

また、国民党(PP)は世論調査の予想を下回ったものの、まぁ、政権奪取の可能性が見えるポジション。

スマール(Sumar)も新興勢力ながらなかなかの健闘ぶり。

しかし、ボックスは、「急ブレーキ(frenazo)」とか「重大な転落(una importante caída)」などの表現が示すように、今回の総選挙で、大きくつまずい(て、ずっこけ)た。

何せ、現状の議員数(diputado)53名を大きく下回る33名しか獲得できなかったのだから、国会内での存在感を示すには物足りない。

今回のボックスの転落により、イタリアやフィンランドのような、極右政党が政権の連立を構成する(la extrema derecha forma parte de una coalición de gobierno)ことは避けられた。

5月30日の小欄でも触れたが、そもそも、今回の総選挙はペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相(当時)が、「極右と国民党による連立政権をスペイン人が望むか否か(digan si quieren un gobierno del PP con la extrema derecha)」と位置づけていたことを思えば、スペイン国民は、強烈なノーを突きつけたことになる。

ボックス党党首サンティアゴ・アバスカル(Santiago Abascal)は次のように敗戦の弁を語った。

今は踏ん張り時。我々は野党になることにも、そして、再び総選挙を行うことにも、完全に覚悟はできている(Vamos a resistir, estamos absolutamente preparados tanto para ser oposición como para una repetición electoral)。

ボックスは、議席数から見れば、国民党、社会労働党に次ぐ第3党(tercer partido)だが、わずか2議席数(31議席)差で、新興勢力スマールがぴったり付けている状態。

6月25日の小欄で紹介した世論調査の予想では国民党とボックスによる連立は180議席を獲得すると考えられていたのだが……

もちろん、そんな政権入りは、夢のまた夢(una utopía)。

それにしても、世論調査の精度が信頼できないのか、世論が動きやすいのか……

そんな世論の浮き沈みに翻弄されたボックスも、まぁ、気の毒と言えば気の毒かも。

写真はボックス党党首のアバスカル。

出典https://www.rtve.es/noticias/20230724/vox-extrema-derecha-europa/2452492.shtml