9/1 ニュースなスペイン語 Cacería inhumana:非人道的な狩り
スペイン王立サッカー協会(RFEF) の会長の職を一時的に解かれている(suspendido temporalmente)ルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)については、連日、記事が更新されている。
しかし、今回、初めて、ルビアレスの母親(写真)のニュースを目にした。
我が子に対する非人道的で、血のにじむような狩りが解決するまで(hasta que se encuentre una solución a cacería inhumana y sangrienta)――。
と宣言し、地元の教会に立てこもり(se ha encerrado)、不定期に(de manera indefinida)、かつ、日夜を問わず(día y noche)、ハンガーストライキ(huelga de hambre)に突入したルビアレスの母親が、3日目にして、地元の病院に搬送されたという。
母親の名前はアンヘレス・ベハル(Ángeles Béjar)。
地元では美容室を経営していたということで、ちょっとした有名人だったようだ。
アンヘレスは
写真を見れば分かるように、双方の合意があったのだから、性的暴行なんてない(no existe abuso sexual al existir consentimiento por ambas partes, como queda demostrado en las imágenes)
との主張を繰り広げる。
キスをされたジェニファー・エルモソ(Jenni Hermoso)に対しては、「真実を言って欲しい(diga la verdad)」と懇願した。
そして、「うちの子には誰のことも傷つけることなんてできない(es incapaz de hacerle daño a nadie)」として、「今回の一件の裏には何かがあるのでは(qué hay detrás de toda esta historia)」と勘ぐっている。
教会には親族らが水や、普段、飲んでいるくすり(medicamento)などを差し入れたり、医師もやってきて、健康状態などを診ていたようだが、遂に、アンヘレスは病院に運び込まれる事態となった。
ルビアレスのいとこにあたるベネッサ・ルイス・ベハル(Venessa Ruiz Béjar)は親族の代表(portavoz)として、次のような談話を発表している。
私たちはジェニファーに本当のことを言ってもらいたいのです。彼女は3回自らの主張を変えています(Queremos que Jenni diga la verdad, ha cambiado tres veces su declaración)。
なお、「政治とメディアによる狩り(cacería política y mediática)」という言い回しで、ルビアレスの支持に回ったのがボックス(Vox)だ。
ボックスは先月22日にも紹介した、合意なきキス(beso sin consentimiento)を巡り、ルビアレスを真っ先に批判した臨時平等大臣(ministra de Igualdad en función)のイレネ・モンテロ(Irene Montero)の信念を「エセフェミニズム(falso feminismo)」と呼ぶ始末。
子を想い、信じてやりたい親の気持ちは分かるし、世界中を敵に回してでも子を守りたい親心もよく理解できるが、身体を壊したらオシマイだよ、おっかさん。
ところで、母親とボックスが用いた「狩り」という語は「魔女狩り(cacería de bruja;caza〜)」を想起させる
それだけに、世論に、メディアと政治までもが絡んで、ひとりの公人を完膚なきまでに叩き潰す、全体主義的な風潮はいささか怖い気もする(日本はこういう時、すぐ謝罪して、パッと辞任して、雲隠れしちゃうから、ここまでオオゴトにならないけど、まぁ、これもこれで問題かもね…)。
写真はルビアレスの母親アンヘレス。
出典
https://www.marca.com/futbol/2023/08/28/64ec63b846163f05b58b459e.html