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1/20 ニュースなスペイン語 Sesquipedalismo:長大語

今回はカスティージャ・イ・レオン州の一連の混乱のお話はお休み(まだまだ、続きそう…)。

さて、タイトルの語にあるsesqui-はラテン語由来の接頭辞で「1.5倍」を表す。

従って、例えば、sesquicentenarioと言えば、centenarioが「100周年」なので、その1.5倍ということは、「150周年」ということになる。

さて、スペイン語で「sesquipedalismo」というと、「不必要に長い単語を使う傾向(tendencia al uso de palabras innecesariamente largas)」を指す。

Sesquipedalismoとは、例えば、「合法的なものにする」ことを、本来は「legitimar」と言えば良いのだか、わざわざ、「legitimizar」と言ってしまうこと。

前者は「le-gi-ti-mar」のよう4つの音のまとまり(音節)から成る語だが、後者は「le-gi-ti-mi-zar」のようにひとつ音節が増え、5音節の語になる。

このように「より長いから、より良い(parece que si lo usamos por ser más larga queda mejor)」という感覚が、sesquipedalismoを使う心理の根底には流れている。

「主題」を表すために、「tema(2音節)」とすれば良いのに、わざわざ「temática(4音節)」としてしまう――。

また、「種類」 と「一般的」を意味するときに、それぞれ「tipo(2音節)」・「general(3音節)」とすれば良いのに、わざわざ、「tipología(5音節)」・「generalizado(6音節)」の単語を使う――。

これらがsesquipedalismoだ。

ところで、日本語では、「子供が少なくなること」を「少子化」、「腹が立つこと」を「立腹」とするなど、漢字を使って短くすることが多い。

スペイン語でも日本語でもことばを格好良く、そして、洗練した形で使いたいと思う人はいる。

ただ、その価値観が違う。

長きを良きものと考える人と、漢字を使って短くすることを良きものと考える人と…。

いろんな人がいる。

写真はオガサワラチビヒョウタンヒゲナガゾウムシ」という昆虫。日本語の長大語として必ず出てくる。

日本語の長大語は、こんな具合に専門用語などに多く、不必要に長くしているわけでもないし、長くすればするほど良いというわけでもないので、sesquipedalismoとは、必ずしも、一致しない。

出典
https://www.rtve.es/television/20230118/seis-palabras-empleas-mal-segun-fundeurae/2414911.shtml