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4/11 ニュースなスペイン語 Vacunas en España スペインのワクチン事情

現地時間10日現在、307万2109人のスペイン国民がワクチン接種を受けた。これは国民全体の6.49%に相当する。

スペイン政府は今夏が終わるまでに、国民の70%のワクチン接種を掲げている。しかし、今のペースで接種が進むと仮定するならば、2020年3月上旬にならないと、政府目標は達成できない計算になる。そして、全国民がワクチン接種を完了させるには、同年9月まで待たなくてはならないらしい。スペインでは8日、1日のワクチン接種が45万本を超え、新記録が生まれたが、全く喜んでいられないのである。なにせ、計算上は、毎週、140万本を接種しなければならないのだから、目がくらむ。

現在、スペインにはアストラゼネカ社、モデルナ社、ファイザー社のワクチンが流通している。これに加えて、ヤンセン社(Janssen)のワクチンが週明けの火曜日13日にスペインに到着すると、厚生大臣(Ministra de Sanidad)カロリーナ・ダリアス(Carolina Darias)が明らかにした。ヤンセン社のワクチンは、他3社のワクチンとは違い、1回接種型(vacuna unidosis)なので、ヤンセン参戦によって、ワクチン接種のスピードが今後、一層、加速すると期待されている

アストラゼネカ社のワクチンによって、非常にまれに血栓(trombo)が発症し、結果、死亡者が出ている。しかし、現在、全世界で2500万人以上が同社のワクチンを接種しているが、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)によると、血栓の発症例は86人、内、死亡者は18人なので、それぞれ30万人に1人、100数十万に1人という、きわめて低い数値ということになる。

従って、スペイン国民の中に、アストラゼネカ社のワクチンに対する不信感が高まるのも無理がない。マドリード州では、同社のワクチンを接種することになっていた人の内、約60~70%がキャンセルしたらしい。ダリアスは「すべてのワクチンは安全で効果がある。EMAのお墨付きも出ている(todas las vacunas son seguras y eficaces y cuentan con el aval de la Agencia Europea del Medicamento)」と火消しに躍起になっている。

そんな中、マドリード州は、60歳未満の人がアストラゼネカ社のワクチンを受けたい場合は受けられるよう(de forma voluntaria)に正式に要請したと発表した。スペイン政府と各自治州は7日、同社のワクチンを60歳未満の年齢層には接種しないことを決めたが、マドリード州は唯一、この決定に反対票を投じていた。マドリードのこのイニシアチブがアストラゼネカ社への信頼を増すことになるかどうか。

写真はスペイン国営テレビ(RTVE)にある「ワクチン大作戦(la gran vacunación)」のHPの映像。各州のワクチン接種率が一目でわかるようになっている。