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1/26 ニュースなスペイン語 Virgen de Chamorro:チャモロの聖母

ボルハの「エッケ・ホモ(Ecce Homo(「この人を見よ」の意(写真)))」の再来か(un nuevo Ecce Homo de Borja)、と関係者は肩を落としているという。

世界中に衝撃(笑撃?)が走って10年が経つ。

ボルハはアラゴン州サラゴサ県にある地区。人口5000人あまりの町に修復画を一目見ようと、観光客が押し寄せ、結果的に町は潤ったようだ。

とは言え、修復業界にとっては芸術的な大惨事(desastre atístico )なわけで、ある種のトラウマになっている。

ガリシア州のフェロル地区にある礼拝堂(Ermita)におさめられているチャモロの聖母が「これまでない程最悪で、見るのが怖い(Ahora está peor que nunca, da miedo verla)」と関係者に言わしめる姿になっている(写真)。

むむむ、中々、個性的なお姿……

髪の毛は人工的な感じ(Pelo sintético)で、元々、木で彫られた顔は銀色に塗られてしまった(un rostro color plata muy distinto al original, que era de madera)。

そして、オリジナルにはなかった冠まで付けている(sobre el cual sobresale una corona que tampoco lucía la original)。

チャモロの聖母は、ノルデスの聖母(Virgen de Nordés)とも呼ばれており、12世紀に造られた、ガリシア州で最も古い像(talla)のひとつと目されている。

幾度の修復を経て、尊顔は明らかに変わってしまった(su aspecto se ha visto visiblemente modificado)という。

昨年は、総額3000ユーロ(約42万4000円)とも言われる装飾品が盗難(robo)にあった。これらのアクセサリは信者(devotos)たちが数年に渡って捧げたものだった。

60年代にはすでに原形を留めていなかったらしいが、現在の顔は90年代の修復が元になっている。

ガリシア州文化財保全組合(Asociación para la Defensa de Patrimonio Cultural Gallego)の会長は次のように述べる。

(当時、チャモロの聖母を)修復するのが彫刻家だと気付いて、私たちは頭を抱えたんですよ。だって、彼らは彫って創るのが仕事で、復元はしませんからね(Cuando nos enteramos de que iba a ser restaurada por un escultor nos llevamos las manos a la cabeza. Un escultor esculpe, no restaura)。

修復を更に修復してゆくことになりそうだ。

「問題の多い修復(restauración polémica)」と検索すると、出るわ出るわ、第2、第3のエッケ・ホモ。

写真は初代エッケ・ホモ(一部)。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230124/virgen-chamorro-nuevo-ecce-homo/2417126.shtml