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4/3 ニュースなスペイン語 Violencia:暴力

暴力がらみのニュースを3つ。

ひとつは、不良グループ(banda)間の「抗争(reyerta)」。マドリード市のプエブロ・ヌエボ(Barrio de Pueblo Nuevo)で2日、夜9時半ごろ、6発の銃声が鳴り響いた。どうやら、ドミニカン・ドント・プレイ(Dominican Don’t Play)とトゥリニタリオス(Trinitarios)という、ドミニカ系の若者たちの集団のいざこざらしい。両グループの対立は少なくとも2019年くらいから続いている。同地区の住民に話を聞く場面が報道されていたが、あまり、多くは語りたくないようで、足早にリポーターから逃げてゆく。警察は発砲した男の行方を追っている。「西部劇映画(película del salvaje oeste)」さながら、などと表現する新聞(デジタル版)もあった。

もうひとつが、「襲撃(ataque)」だ。ムルシア州(Murcia)カルタヘナ(Cartagena)にあるポデモス党(Podemos)本部が1日未明、何者かによって落書きの被害を受けた。本部に設置してあった防犯カメラ(cámara de seguridad)には、パーカーをかぶり(encapuchado)、マスク(mascarilla)で顔を覆った男が「国家テロ反対(No al terrorismo de estado)」と黒いスプレーで書き、その後、火を放つ映像が記録されていた。今回が6回目の被害で、放火されたのは初めてらしい。なお、お決まりのエフワード(「****野郎(H***s de P***)」)を書き残すあたり、こういうことをしでかす連中のお里が知れる。「野蛮な行為(vandalismo)」と表現する新聞(デジタル版)もあった。

ポデモス党党首パブロ・イグレシアス(Pablo Iglesias)はじめ、党員たちは一斉に「極右勢力(ultraderecha)の仕業」と非難。市民党(Ciudadadnos)党首イネス・アリマーダス(Inés Arrimadas)もこの流れに乗っかり、「断固たる厳罰を(firme condena)」と表明した。

一方、マドリード市長(alcalde de Madrid)ホセ・ルイス・マルティネス・アルメイダ(José Luis Martínez-Almeida)は国民党(PP)だが、同じく、暴力を非難した。まず、「我々は疑われる筋合いはない。我々は、暴力を誰が行おうと厳しく非難する(Nosotros no somos sospechosos. Nosotros condenamos todos los ataques, vengan de donde vengas)」と述べ、最近、取りざたされている、同党が極右思想にかじを切ったとされる疑惑についてきっぱりと否定。

続けて、「これまでに、ポデモス党は断罪していないものの、我が党本部に対する襲撃事件もあった(....ha habido ataques a sedes del PP que Podemos no ha condenado)」し、「しかも、ポデモス党はそうした暴力の肩を持つことさえあった(incluso, en ocasiones, ha justificado esa violencia)」とも述べ、反撃に転じた。この時、マルティネス・アルメイダはやや笑っていた。他党(特に野党)に対する攻撃は黙認しておきながら、自分の党に対する攻撃だけをまくし立てるポデモス党を思いっきり揶揄した格好だ。

あと、スペイン国内ではないが、現地時間の2日、午後1時ごろ、ワシントンの国会議事堂(Capitolio)の防御壁に車が突っ込み、警官一人が死亡、もう一人が重傷を負った。運転手は警官に撃たれ、病院で死亡が確認されたという報道もある。ここにも「襲撃」という語が使われていた。

写真はEl Periódico紙(4.2.)より。ムルシア州カルタヘナのポデモス党本部の防犯カメラの映像。放火された直後の様子。