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12/1 ニュースなスペイン語 Moción de censura:内閣不信任決議

新生ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)政権に早くも不穏当な動きが出てきた。

ただ、最初に断っておくと、記事では、この不信任決議案に「仮定の(hipotética)」という形容詞が付いているので、実際にこのような決議案が提出されたというわけではない。

ということを踏まえて…。

カタルーニャ州元知事で、同州の地方政党ジュンツ(Junts)の顧問(líder)でもあるカルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont(写真))は、サンチェスの首相就任時の合意事項であった恩赦問題(amnistía)について、「十分な進展(avances suficientes)」が見られなければ、国民党(PP)と共闘し、内閣不信任決議案の提出も辞さないと、サンチェスに迫った。

どうやら、明日2日に、ジュネーブ(Ginebra)で、ジュンツとスペイン社会労働党(PSOE)が会談することになっているらしく、その前に、サンチェス陣営を揺さぶった格好だ。

加えて、プッチダモンは「ただ、そのためには、国民党の方が我々に歩み寄ってもらう必要がある。あと、私のことをテロリストと呼ぶのをやめないといけない(Pero para eso, el PP debe dar un paso hacia nosotros. No pueden seguir tratándome como a un terrorista)」と、まぁ、ちょっと上からの要求も。

こんな具合に、ラブコール(と上から目線の要求)を一方的に送られた国民党の方は、実は冷めていて、党首のアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)は「そんな共闘は実現しないというのが我々の答えだ(La respuesta es que no es posible)」ときっぱり述べた。その理由として

私はスペインを信じ、憲法を信じるからだ。こうした私の信念はジュンツの現在の要求とは相入れない(creo en la unidad de mi país, en la Constitución y esto es incompatible con las actuales exigencias de Junts)

とかなりツレナイ返事。そして、

ジュンツの求めてくる条件は違法で、憲法とスペイン国民の平等を攻撃するものだ。私の立場は変わらない(Las condiciones de Junts son ilegales y atentan contra la Constitución y contra la igualdad de los españoles. Yo no he cambiado de posición)

と、プッチダモンのプロポーズをはっきり断った。

ジュンツ所属の欧州議員(eurodiputado)のトニ・コミン(Toni Comín)も基本的にはプッチダモンと同じ路線で、社会労働党を次のようにけん制した:

サンチェスに賛成票は投じたが、もしここ数か月の間で何の進展も見られなければ、政権が提案する予算や政令、法案の何かを承認しなければならないという義務など全くない(pese a haber votado a favor de la investidura de Pedro Sánchez, con el PSOE no hay ninguna obligación de aprobarle nada, ni presupuestos, ni decretos, ni leyes, si en estos meses no se avanza)

そして、社会労働党は投票案件で「相当のいやがらせ(muchos disgustos)」を覚悟しなければならない(debe estar preparado)として、政権運営は「厳しい否認合戦で困難を極める(difícil, con unas negociaciones duras)」とした。

恩赦についての交渉は、少なくとも、表向きは、何の進展はないが、すでにこのありさま。

そして、国内では各地で恩赦に対する抗議行動。

あぁぁぁぁぁぁぁ、どうすりゃいいんだよ!ーーー。小生だったら、こんな風に叫びたくなる。

写真はインタビューに答えるプッチダモン。

この笑みを不敵と言わずして・・・。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231129/puigdemont-amenaza-sanchez-apoyar-pp-hipotetica-mocion-censura-si-no-ve-avances-suficientes/2463231.shtml