6/8 ニュースなスペイン語 Nueva providencia:新たな弁明
6日の小欄で、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相の妻、ベゴーニャ・ゴメス(Begoña Gómez)が、コロナ禍において優越的地位を濫用した(tráfico de influencias)などの容疑(presuntos delitos)で捜査対象(investigada)となっていることを宣誓するために、出廷するよう命じられたことを紹介した。
初期稿では出廷日を「6月5日」と書いてしまっていたが、現時点で何の報道もなく、はて?と思い、記事を見返したら、「7月5日」と書いてあったので、慌てて、訂正した。
ゴメスに出廷命令を下した裁判官はフアン・カルロス・ペイナド(Juan Carlos Peinado(写真))という。
小欄では、拙文が、さらに拙く、煩雑にならないよう、極力、個人名などは書かないようにしていて、今回も裁判官の氏名は伏せていたが、恐らく、今後、この判事は繰り返し出てきそうなので、今回から明記しておくことにする。
さて、ペイナドの決定に対して、政府(Gobierno)からは「奇妙(extrañeza)」との意見がある。
また、サンチェス自身も国民に宛てた書簡で、選挙運動中は国民の投票行動に影響を与えるような法的裁定は出さない(no dictar resoluciones susceptibles de condicionar el desarrollo normal de una campaña electoral y. por tanto, el voto de los ciudadanos)との不文律(la regla no escrita)があるとして、妻への出頭命令を疑問視していた。
こんな具合に、欧州議会選挙(elecciones europeas)真っ只中に、出廷命令を出したペイナドを、特に、与党周辺は暗に批判してきた。
そこで、ペイナドがこうしたネガティブな反応にこたえるべく声明を出したというのが、今回のニュース。
タイトルにある「providencia」は普通「摂理」とか「神意」と訳される語だが、今回の文脈では、裁判官による「弁明」とか「意見書」のような意味で使われているみたい。
ペイナドが一番言いたかったのは、選挙時に、法的手続きを進める(impulso de cualquier instrucción en curso)ことを妨げる規定(precepto alguno)は、憲法(de la Constitución)にも、その他の法律(de la ley)にも無いという点。
つまり、裁判所は、法に則って、出廷命令を出してる、文句あるか!?と毅然とした態度を示した格好だ。
裁判官も人の子。
理不尽な言いがかりには、一言、言いたいという気持ちはよくわかりますぞ。
写真はペイナド。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240606/juez-investiga-a-begona-gomez-dice-no-hay-precepto-alguno-impida-citarla-campana-electoral/16136800.shtml