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11/11 ニュースなスペイン語 Se ha despejado la vía:道が開けた

政府内閣筋(fuentes del Ejectivo)によると、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)が首相再選を目指し、調整してきた諸々の交渉(negociación)が遂に大詰めを迎えた。

昨日、バスク州の地方政党、バスク民族主義党(PNV)からの首相支持(apoyo)をようやく確約できたサンチェス陣営は、首相就任のための論戦(debate de investidura)ならびに投票(voto)の日程について、11月15日と16日の2日間が「最も候補日としてあり得る(las fechas más probables)」とした。

木曜日にはカタルーニャ州の2大地方政党のひとつであるジュンツ(Junts)との交渉を終え、前党首(expresident)であるカルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)ら7人からの支持を確実なものにした。

同州のもうひとつの要諦である共和主義左翼(ERC)とは早々に交渉を終え、首相支持を約束している。

サンチェスはジュンツと共和主義左翼に対して、プッチダモンらの恩赦(amnistía)を交渉材料に使ってきたが、まぁ、それが功を奏した形。

しかし、マドリードでのスペイン社会労働党(PSOE)本部前で繰り広げられている、恩赦に対する抗議活動が7日目に突入したことを思えば、実際に恩赦が実現された時にどれ程の反発があるか――。未知数である。

また、カナリア諸島州の地方政党カナリア連合(CC)との交渉も終えたとのニュースが先程発出された。カナリア連合の持っている議席は1つなので、まぁ、勝敗を左右する程ではないが、この際、もらえる支持票は少しでも多い方が安泰。

かくして、サンチェスは国会(正確には下院(Cámara de los Diputados))の総議席である350の内、過半数(mayoría absoluta)となる176を3つ上回る179議席(票)を獲得できる見込みが立ったということになる。

上では言及しなかった政党も含め、予想獲得票の内訳を見てみると…

スペイン社会労働党→121票
スマール連合(Sumar)→31票
ジュンツ→7票
共和主義左翼→7票
バスク民族主義党→5票
ビルドゥ(Bildu)→5票
ガリシア民族主義ブロック(BNG)→1票
カナリア連合→1票

となる。

論戦と投票のための日程として2日間が取られているが、不測の事変が起こらない限り、1日目の投票でサンチェスは首相に返り咲きそうだ。

一方、前候補のアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)の時は、論戦前から敗戦ムードが滲みでていたなぁ(9月4日の小欄など)。

やはり、支持基盤固めの戦略や、そもそもの人気は、サンチェスの方が一枚(かそれ以上に)上手だったのだろう。

写真はサンチェス。

それにしても、コラ画像と見まがう程の、見事な自信っぷり。

「殿、『おごれる者は久しからず……』なる一節が日出る国にはございまして…」とご進言申し上げる側近がいれば良いのだが。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231109/posibles-fechas-investidura-sanchez/2460510.shtmlなど