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9/6 ニュースなスペイン語 La Youtuber:ある女性ユーチューバー

スペイン語でもユーチューバーはYoutuberと綴る。が、発音は「ユーチューベル」で、男女同形。冠詞で男女を区別する。

だから、写真の彼女はlaという定冠詞の女性形が付く。

で、彼女のユーチューバー名は「プリンガダ(Pringada)」。

Pringado/aは口語で「他人がやりたがらないことをいとも簡単に騙されてやってしまう(Que se deja engañar fácilmente para hacer cosas que otros no quieren hacer)」とか「他人の罪や失敗の後始末を常にやる(Que suele pagar las culpas por una falta o delito cometidos por otra persona)」という意味で、つかわれる形容詞だ。

もうひとつ、「肉汁(pringue)をしみこませたパン」という意味でも使う。こちらはpringadaという形しかない。

今、スペインで人気を博している写真の彼女は「Soy Una Pringada(私はプリンガダ)」こと、エスティ・ケサダ(Esty Quesada=写真)だ。

このプリンガダの発言が極右政党ボックス党(Vox)の逆鱗に触れた。

ちなみに、ケサダのユーチューブ名である「プリンガダ」は多分、肉汁パンの方か?

先日、カタルーニャ共和主義左翼(Esquerra Republicana de Catalunya:ERC)の報道官(portavoz)ガブリエル・ルフィアン(Gabriel Rufián)が自らのチャンネル(canal)で行ったインタビューの中で、プリンガダはボックス党を「殺らなきゃだめね(matar)」と発言したという。

ボックス党の報道官、イバン・エスピノサ(Iván Espinosa)は、プリンガダの発言(palabras)を「極めて重大(de gravedad extrema)」として、同党の法務部(departamento jurídico)と協議し、プリンガダに対する法的手続き(acciones legales)に入ると表明した(declaraciones)。同時に、エスピノサはルフィアンは責任を免れないとも述べている。

まず、プリンガダの発言について、エスピノサは「ボックス党の400万人の支持者たちの命を脅かす明確な脅迫(una clara amenaza sobre la vida de los cuatro millones de votantes de Vox)」とした。

また、エスピノサについては、「ライブ配信ではなかったのだから、編集で発言を削ることだってできたはず(No es un programa en directo, así que tuvo la oportunidad de haber editado)」と述べた。そして、インタビューアーはインタビューを受けた人の発言内容に責任を負う必要はないが、これを配信するとなると話は別だ(no puede responsabilizar al entrevistador de lo que dice el entrevistado pero sí de haberlo publicado)」と述べている。

一方のルフィアンは、「私はエスティ・ケサダ氏の発言に共感しないし、これを非難する(No comparto y condeno las palabras de Esty Quesada)」と述べたのだ。ずいぶん、お行儀がい~いじゃない。

そして、ちゃっかり、「暴力によってなされるに値する思想はひとつもない。私はこれからも常に暴力を非難する(No hay ninguna idea que merezca ser llevada a cabo mediante la violencia. Siempre condenaré la violencia)」と、まぁ、至極全うなことも付け加えた。

配信はしておいて、それなりにビューを稼いでおきながら、批判されたら、ハシゴをひょいと外して、逃げちゃうのまずくない?

プリンガダの反応はまだ聞こえてこないが、やれやれ政治家ってヤツは、って思ってるかも。口車に乗せられて、要らんことを言ってしまったとなれば、プリンガダは前者の意味(=「誰かのしりぬぐいをさせられる人」)でも通用するかな。

写真は「私はプリンガダ」ことスティ・ケサダ。なかなか、インパクトがある。本件とは無関係だが、後ろに映る「〇ッキー」っぽいキャラはギリギリ、セーフ?。