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1/14 ニュースなスペイン語 Picosatélite:小型衛星

小型衛星、というか、超小型衛星だ(写真)。高さ10センチ、横と奥行きが共に5センチ。ニュースでは「紅茶の缶(caja de té)」という表現がつかわれていた。手に楽々収まる大きさだ。重さも1キロ満たないという。

この超小型衛星6基が、今週の木曜日、宇宙(espacio)に向けて打ち上げられた(lanzar ; lanzamiento)。

この超小型衛星を製造したのが、「フォッサシステム(Fossa System)」というメーカーで、マドリードに工場を構える。従業員16名の零細企業だが、この代表取締役(CEO)が若干19歳の青年、フリアン・ゴンサレス(Julián González)だ。

ゴンサレスが起業したのは今から3年前の16歳の時だった。当時はまだ、非営利団体(sin ánimo de lucro)だった。しかし、当時も今も変わらないのが、「通信と宇宙へのアクセスを民主化する(democratizar el acceso a la conectividad y al espacio)」という目標だ。「民主化する」とは、ここでは、もっと気軽に、誰にでもできるようにする、ということ。

フォッサシステムは最終的には80基の超小型衛星を打ち上げる予定だという。ちなみに「打ち上げる」をスペイン語では「lanzar」という動詞の他、「desplegar la costelación」という表現も使う。「constelación」は「星座」という意味で、これは「衛星(satélite)」の言い換えだが、desplegarは「たたんであるものを広げる」という意味だ。折りたたんである太陽パネルなどを広げて、軌道(órbito)に乗せる、というイメージだろう。

今回の打ち上げには、かのアメリカ人実業家イーロン・マスク(Elon Musk)が協力している。マスクが代表取締役を務める「スペース・エックス(Space X)」のロケット(cohete)に、スペイン産の超小型衛星6基が搭載されたのだ。宇宙ビジネスは資金の調達に難航するものだが、良い後ろ盾が付いてくれた。

超小型衛星は、具体的な価格はまだ、公表されていないが、これまでの衛星と比べると「経済的(económico)」だという。宇宙がまた、近くなる。

そして、電波塔などの地上のインフラ設備(infraestructura terrestre)が整えられない海上や、広大な農園や牧草地での通信環境が格段に改善されるという。これによって、皆が、等しく、ネットへの通信が可能になる。まさしく、通信の民主化だ。

宇宙と通信の民主化――。新年から幸先の良い話だ。

写真はフォッサ・システムの超小型衛星。