3/29 ニュースなスペイン語 Declarar la independencia:独立を宣言する
22日の小欄でも紹介したが、カタルーニャ州政府は今後、同州で発生する全ての税金を同州が徴収し、これを管理するとの提案を行った。
税収を独自に徴収するシステムは、カタルーニャ独立のための布石となるのか――。
先日の小欄で予想めいたことを書いたが、早くも、同州の政府評議会(Mesa de Parlament)は、州議会が独立を宣言できるよう(la Cámara catalana declare la independencia)な手続きを認める(admitió a trámite)決定を行なったとあった。
新しい税の徴収システムが、まぁ、絵に描いたように、独立のための第一歩となっていたということ。
もちろん、中央政府は、そんな勝手なことは許さじとして、憲法裁判所(Tribunal Constitucional)に、カタルーニャ州のこうした主導権(iniciativa)が違憲にあたる(inconstitucionalidad)として、これを阻止するため(para impedir la iniciativa)、訴訟を起こす(recurrir)ことを決めた。
カタルーニャ州は5月12日に州選挙を控えていて、当然、独立は各党にとって主要なテーマとなっている。
先の評議会の決定の投票行動を見ると、各党の独立に対するスタンスが見えてくる。
すなわち、
・ジュンツ(Junts)と人民統一候補(CUP)が3票の賛成票(a favor)
・共和主義左翼(ERC)は棄権(abstención)
・カタルーニャ社会労働党(PSC)が2票の反対票(en contra)
という具合。
この議会の構成や投票行動は、今後変わるにしても、変わらないにしても、カタルーニャの行く末を左右するので頭に置いておくと良いかも。
カタルーニャ州政府(Govern)の報道官、パトリシア・プラジャ(Patrícia Plaja)は、中央政府の憲法裁判所への提訴を「独立主義への過剰反応(sobreactuar contra el independentismo)」とし、
州議会の議論を制限しようとするのは何の得にもならないやり方だ(Buscar coartar y limitar el debate parlamentario nunca ha sido una buena opción para nada)
と述べた後、
ペドロ・サンチェス政権はここ数年の体験から何も学んでいないか、学んだとしても、わずかだ(el Gobierno de Sánchez ha aprendido poco o nada de estos últimos años)
と中央政府の反応をけん制した。
まぁ、カタルーニャと中央政府とのイザコザは今に始まった訳ではないが、今回は、恩赦法(ley de amnistía)の成立が背後にあるので、今までとは違う緊張感と具体性があるのが、これまで以上に、不穏だ。
写真はカタルーニャ州知事ペラ・アラゴネス(Pere Aragonès)。
アラゴネスは、この度、独立宣言のイニシアチブについて、投票を棄権した共和主義左翼の所属。
共和主義左翼は、日頃は独立派だけに、今回、中立的な判断をしたのは、小生には意外だった。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240325/sdecanchez-recurrira-tc-impedir-iniciativa-parlament-declarar-independencia-cataluna/16030520.shtml