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5/22 ニュースなスペイン語 Yo soy el agredido:侮辱されたのは私の方だ

昨日の続報。

つい先日までスペインを訪問していた、ハビエル・ミレイ(Javier Milei)アルゼンチン大統領は、極右政党ボックス(Vox)の集会で行った演説の中で、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相の妻ベゴーニャ・ゴメス(Begoña Gómez)のことを、直接言及したわけではない(sin citarla)が、「腐った女(corrupta)」と表現したとされている。

また、サンチェス(Pedro Sánchez)についても、侮辱的なニュアンスを帯びる可能性のある「大変だろう(calaña)」という語で言及。

早速、スペインの外務大臣(ministro de Asuntos Exteriores)ホセ・マヌエル・アルバレス(José Manuel Albares)は在スペインのアルゼンチン大使を呼び出し、ミレイに謝罪要求をしたが、大統領府はこれを拒否していて、両国の関係はかなりギクシャクしている――。

昨日の小欄ではこんなことを紹介した。

そして、ミレイはアルゼンチンに帰国して早々、あるインタビューの中で、次のように述べた。

どんな見方をしても、私が謝罪する理由などない。侮辱されたのは私の方なのだから(Bajo ningún punto de vista, cómo voy a pedir disculpas si yo soy el agredido)――。

その真意はいかに?

ミレイは続ける。

私はベゴーニャ夫人の名を挙げたわけでもないのに、サンチェスが勝手に妻の肩を持っているだけだ。このこと自体、サンチェスが汚れにまみれていることの証拠だ。どこぞの全体主義の輩が、家庭の問題を持ち出して、国家間の外交関係をぶち壊そうっていうのだ(No la mencioné, él se hizo cargo, eso muestra que está sucio. ¿Quién el totalitario cuando él pone un problema personal a dinamitar la relación entre dos países?)。

と鼻息は荒い。

さらに、

私は外国人嫌いだの、差別主義だの、極右だ、ファシストだ、反科学主義者だ、女性嫌悪者などと散々言われてきた。一ヶ月ちょっと前から組織的に私に対する攻撃を強めてきた(Me han llamado xenófobo, racista, ultraderechista, fascista, negacionista de la ciencia y misógino. Hace un poco más de un mes que vienen agrediéndome sistemáticamente)

と述べ、他にも、錯乱者(delirante)、キ◯ガ◯ (loco)、臓器販売人(vender órganos)などとも言われていたとも明らかにした。

自身が大統領に就任した際に、サンチェスが祝福のメッセージを出さなかったことにも恨み節を炸裂(nunca llamó para felicitarle tras su victoria en las elecciones)。

サンチェスはスペインで問題山積(tiene problemas en España)だから、二極化を目指そうとしている(busca polarizar)とし、大衆迎合に突き動かされ、アルゼンチン政府との関係をめちゃくちゃにするつもりだ(trabaja con el kirchnerismo para tratar de sabotear nuestro Gobierno)と分析した。

その一方で、スペイン・アルゼンチン両国の関係は破綻することはないだろう(no se va a romper)とも述べ、これを決めるのは、役人ではなく、国民だから(La relación no la construyen los mandatarios, la construye la gente)とした。

さらに、「我々はスペインからの多くの移民を受け入れている。このつながりがあれば、両国の関係は決して壊れることはない(En Argentina hemos recibido un montón de inmigración de España, ese vínculo no lo vas a poder romper nunca)」とも語った。

ミレイの話を額面通りに取るのはいささか無理があるにしても、スペインも、まったく、無垢で、中立的な態度でミレイに接してきたという訳でもなさそう。

喧嘩は、やはり、双方から言い分を聞かないとダメだね…。

昨日は、スペインからの情報だけで、やや色眼鏡でミレイを見ていた。

反省。

写真はミレイ(別に他意がある訳ではないが、どうしても、こういう写真に目が行ってしまう。色眼鏡はかけてないつもり…)。

ちなみに、こんな波風が立っている中、ミレイは6月にもスペインを訪れ、アメリカに本部を置く、急進派(ultraliberal)を自称する団体から賞を受けることになっているらしい。

出典https://www.rtve.es/noticias/20240521/milei-acusa-sanchez-trabajar-kirchnerismo-sabotear-gobierno-argentina/16111975.shtml