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8/24 ニュースなスペイン語 Paticorto:短足

ウソは脚が短い(La mentira tiene la pata corta)――。スペイン語の諺だ。ウソは遅かれ早かれ(tarde o temprano)バレる、という意味。

日本語にも似たニュアンスで「馬脚」という表現がある。

どちらにも「脚」が付くのが面白い。

ちなみに、pataが「ヒトの脚」ではなくて、「動物や机などの脚」を意味するのも、何となく可笑しい。

さらに、las patasという複数形のバージョンがあるのも、笑える(ウソは何本脚なのかしらん)。

さて、早くも、22日の続報である。簡単にこれまでのゴタゴタを振り返っておこう。

司法評議会(CGPJ)の改革が、なかなか進まないことに業を煮やしたペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相が、国民党の前党首のパブロ・カサド(Pablo Casado)と密約(pacto)を結んだことを暴露し、現党首のアルベルト・フェイホ(Alberto Feijóo)に対して、その密約を守り、評議会の改革に協力するように迫った。しかし、フェイホはそんな密約のことは知らない、カサドはすでに伝えてある、と新旧の党首の主張は食い違い、内輪喧嘩に発展した――。

そんな中、22日、地政大臣(Ministra de Política territorial)イサベル・ロドリゲス(Isabel Rodríguez(写真))は、

(フェイホ氏は密約のことを)間違いなく知っていた(Es evidente que lo conocía)。

と明かしたのだ。続いて、冒頭の諺を引用し、

フェイホ氏はご自分の答弁で「短足」になった(≒馬脚を露わした)(el señor Feijóo se ha quedado 'paticorto' con sus respuestas)

と痛烈に皮肉ったのだ。そして、最後に、フェイホが言ってることは

絶対にウソ(una absoluta mentira)

と断言した。

密約締結の時にフェイホと共に席に着いていた人物の名前などを挙げているところからみて、フェイホの虚言の可能性が高いかもしれない。

そして、ロドリゲスは、評議会の改革は、前党首カサドの時はまだ難しいで済んだが、現党首のフェイホ執行部とはもはや「不可能(imposible)」とまで言ってのけた。

なぜなら、フェイホは「自己破産的で、幼稚で、厚顔無恥で、国家のことを何も考えていない(insolvencia, inmadurez, cinismo y poco sentido de Estado)」からだそうだ。

なお「自己破産的」というのは「債務不履行」でも良いが、つまるところ、自分の言動に責任を持ててない、ということ。

しかし、よく、まぁ、こんなにも、ネガティブワードがつらつらと出てくるものだ。

ボールはフェイホに渡った。新党首の口からどんなことばが出てくるのかが注目される。

写真はイサベル・ロドリゲス。なお、ロドリゲスは政府報道官(portavoz)でもあるので、彼女の言葉はスペイン政府の見解ということにもなる。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220822/gobierno-insiste-feijoo-conocia-acuerdo-renovar-cgpj/2397481.shtml