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12/8 ニュースなスペイン語 Expulsión:除名処分

スペイン社会労働党(PSOE)が党の重鎮のひとりを除名処分とした。

名前はホアキン・レギナ(Joaquín Leguina(写真右))。御年81歳。カンタブリア州出身。

レギナはマドリード州知事を1983年からの12年間、3期(legislatura)に渡って務めた。これは、マドリード州知事の歴史の中で最長記録。

このレギナ以降、スペイン社会労働党がマドリード州に知事を送り込むことはできず、今日に至るまでの7名の知事はすべて国民党(PP)である。

除名手続きは昨年5月6日に開始し、昨日火曜日、レギナ本人より党を除名する旨の内容証明(burofax)を自宅で受け取ったと発表があった。

除名の事由は昨年のマドリード州知事選の選挙運動(un acto de la campaña)の際、現職のイサベル・ディアス・アジュソ(Isabel Díaz Ayuso(写真左))に同行し、アジュソへの票の取りまとめ(pedir voto;solicitar〜)などの選挙協力をしたというもの。

実はレギナと共に、同じくスペイン社会労働党のニコラス・レドンド・テレロス(Nicolás Redondo Terreros)という議員も選挙協力をしたとの容疑あり、除名処分の審査が行われていたが、嫌疑不十分で、除名は取り下げられた(archivar)。

当のレギナは

私を単に除名したいということだろう。真の意味での除名とは異なる(Es una forma de decir que me quieren expulsar. No es una expulsión propiamente dicha)

と恨み節炸裂だ。そして、ツレのレドンド・テレロスが除名を免れたことについては、

スペイン社会労働党の心臓部でいろいろな所で、意見の相違があることは間違いない(apuntala un amplio margen de discrepancia en el seno del PSOE)

と述べ、古巣にほころびが生じていることを示唆した。

そして、

ペドロ・サンチェスは、こんなことで、私のこの口を封じられるとでも思っているのかね。まぁ、(私はこんなことじゃだまっていないから、サンチェスには)他の方法を考えてもらった方が良いかもな(Si Pedro Sánchez piensa que con estos métodos me va a callar la boca que vaya pensando en otra cosa)。

レギナは弁護士との面談も匂わせていて、徹底抗戦の構え。サンチェスは次の一手をひねり出せるか。

レギナの年齢を考えると、まぁ、州知事経験者とは言え、党内での求心力はそんなにないんじゃないかなと小生は勝手に思ってみたが、しかし、こうした、ちょっとしたほころびから、大艦が沈没することもある。

終わりの始まりかもしれないので、記事の扱い自体はそんなに大きくないが、一応、記しておこう。

写真は現職のマドリード知事アジュソ(左)と、除名処分を受けたレギナ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221206/joaquin-leguina-expulsado-del-psoe-su-apoyo-isabel-diaz-ayuso/2411111.shtml