見出し画像

3/11 ニュースなスペイン語 El Corte Inglés:エル・コルテ・イングレス

スペインに行った人から頂くお土産の袋などによく見るロゴマーク(写真)。

スペインの百貨店チェーンで、ヨーロッパでは最大、世界でも五本の指に入る大企業だ。

そのコルテ・イングレスが、同社のギフトカード(tarjeta regalo)と引き換えに(a cambio de)、スペイン治安警備隊(Guardia Civil)の制服(uniforme)とマスク(mascarilla)の発注に関する入札(adjudicación)をめぐり、「極秘情報(información privilegiada)」を事前に得ていたのではないかとの疑惑が明るみになった。

治安警備隊の大佐(coronel)フアン・アントニオ・マロト・ヒル(Juan Antonio Maroto Gil)と中位(teniente coronel)アルベルト・ホセ・マルティン・アルトゥベ(Alberto José Martín Altube)他、4名の司令官(mando)らに、裁判所への出頭が命じられている。

また、コルテ・イングレスからも元幹部(exdirectivos)たちが裁判所での証言(explicaciones)を求められている。

今回の疑惑に関わったとされるのは、コルテ・イングレスだけではなく、他11企業に及ぶと見られている。

ちなみに、この疑惑はいろいろや記事で「amaño」と表現されている。辞書には「抜け目なさ」などの意味が出てくる。

一方、3日と5日に紹介した「仲裁人事件(caso 'Mediador')」は「corrupción(汚職)」と表現されることがほとんど。

どちらも、公的組織の絡んだ不正であることに変わりないが、表現の仕方が違うのが面白い。

動いたカネの額、関わった人間の数や社会的地位などによって、不正にもいろいろなバリエーションがあるのかしらん。

治安警備隊(やその他の警察組織)と民間企業の癒着については、2017年あたりから検察などが動いていて、その捜査は理由は定かではないが、「ホッチキス作戦(Operación Grapa)」と呼ばれている。

それにしても、警察組織が随分劣化してる。

写真はエル・コルテ・イングレスのロゴマーク(logotipo)。

なお、記事では、入札情報などを引き出すために治安警備隊に渡されたとされるギフトカードに対して、「dávida」という語が使われている。

あまりお目にかからない単語だが、基本動詞「dar(与える)」と遠いところで繋がっている。

出典
https://www.abc.es/espana/corte-ingles-once-empresas-imputadas-trama-amanos-20230311011747-nt.html