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9/23 ニュースなスペイン語 Multa a Glovo:グローボ社への罰金

グローボ社はカタルーニャ州バルセロナ発祥の企業で、今や、ウーバーイーツ(Uber Eats)やデリバルー(Deliveroo)と並んで、スペインの宅配業界(reparto a domicilio)を牽引している企業。

2014年創業の若い企業で、コロナ禍による外出制限令によって需要を伸ばした、いわば、時代の寵児的存在といえる。

そんなグローボ社に対して、この度、労働査察局(Inspección de Trabajo)が罰金を課すことを決めた。

その額、7890万ユーロ(約111億円)!!とてつもない金額だ。

同社がバルセロナ市とバレンシア市で、1万614人の配達員(repartidor;rider)たちを、実際は、従業員として雇用していたにもかかわらず(que dependen)、「フリー配達員(falsos autónomos)として偽って」、働かせていた、という容疑が固まったためだ。

ちなみに、スペイン語では、企業や組織に雇われている上で給料をもらう時、「他人による会計で(por cuenta ajena)」という言い方をする。一方、自営・フリーの人たちは、「自分自身の会計で(por propia cuenta)」という。

さて、罰金7890万ユーロの内訳を見てみると、約5000万ユーロが、通称「ライダー法(Ley rider)」と呼ばれる、配達業務に関わる法律に違反(infracción)したことに対する罰金。

そして、残りが「本来ならば、払わなければならなかった社会保障費(la Seguridad Social que debían haberse cotizado)」などだ。

労働大臣(Ministra de Trabajo)のジョランダ・ディアス(Yolanda Díaz)は、グローボ社が、極めて深刻な方法で(de manera gravísima)、労働者の権利を踏みにじった(vulunerando los derechos labrales)だけでなく、一部、労働査察局の業務を妨害した(obstruyendo la labor de Inspección de Trabajo)と非難。そして、

法が同社に重くのしかかるだろう(el peso de la ley va a caer sobre está empresa)

と述べ、厳正に対処する姿勢を見せた。

一方のグローボ社としては、まず、査察の時期(periodo inspeccionado)が、ライダー法が施行する前の2018年から2021年までの期間だったため、同法の定めるところには抵触しない(no está relacionado con dicha norma)と主張する。

しかも、罰金には、本来は法に従わなかったライダーたちが支払うべき制裁金(sanción por cada repartidor)も含まれている、とも主張。

まぁ、個人の交通違反の罰金を会社が払う、みたいなことか…。

そのため、今回の結論は一方的(una resolusión unilateral)であり、法的措置に訴え出る(recurrirá)と徹底抗戦の構えを見せた。

今、知ることのできる情報を見る限り、監査局のやり方は、やや、見せしめ的で、グローボ社には、いささか、酷か。ただ、グローボ社も、偽のフリー配達員を働かせていたという認識が無かった訳でもなさそう。

まぁ、門外漢がああだこうだ言ってもしょうがないので、デリバリー業界とこれを縛るライダー法の、法定抗争を見守ろう。

写真はグローボ社のリュックを背負うライダー。フリーか、雇われの身か。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220921/trabajo-multa-casi-79-millones-glovo-emplear-falsos-autonomos-barcelona-valencia/2403080.shtml