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第20回中国共産党大会が終わりました。習近平率いる中国の本当の怖さとは? 

第20回中国共産党全国代表大会が終わり、その後開かれた一中全会で習近平総書記が異例となる三期目の政治局常務委員に選出されました。
メディアでは、「習近平氏が一強体制となり、権力を一層確立した」「側近や関係の近い人を権力の中枢に配置し、独裁により近づいた」など報道されています。

みなさんは、習近平総書記に対してどのようなイメージを抱いているでしょうか?

私は、国内で異なる意見を抑圧し、対外的に強硬な主張をする中国共産党にははっきり言っていい印象はありません。

しかしその一方で、習近平総書記という人物は、自分の権力を維持し持続させたい目的のためだけに、今のような体制を作っているわけではないと思います。

彼は、中国14億人の人民の生活向上と、世界の強国、中国という国家の再興を目指し、そのために国家を指導する強い党とリーダーが必要だと、心の底から本気で信じているのではないかと思います。また彼には、そのために長期的な構想を練ることと、国民を率いていくことができる、非常に卓越した能力を持つ人物なのではないかと考えています。以前から盛んに、「中国共産党の初心と使命(初心:人民の幸福、使命:中華民族の偉大な復興)を忘れるな」と訴えていることにも、その意志が伝わってきます。

もちろん私は、かつてウィンストンチャーチルが言った「実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」と同じ気持ちで、民主主義の信奉者です。

しかし、ときにワンマン経営の会社の方が成長速度が早いことがあるように(中国共産党の、民主集中制という名の厳格な上意下達システムをある種の会社のようだなと感じるのは私だけでしょうか。)、専制的な国家のほうが、民意の間を試行錯誤しながら進む民主主義国家より早く成長し、力を持つ可能性があると思います。それが、世界一の人口を有し、国家主義的な傾向を持つ国となれば脅威はなおさらです。

「共産党内の派閥争いだ」「独裁はよくない」などと言うことは簡単です。ただ私たちは、先日発表されたアメリカの国家安全保障戦略に記載のあったように、中国は「国際秩序を作り替える能力と意思を持つ唯一の」国であることを忘れてはならないと思います。

※バイデン政権が民主主義対専制主義の戦いを強調したり、中国が香港の民主派を弾圧したり、ミャンマーで選挙で選ばれた政府がクーデターで転覆され軍事政権が復活したりと、世界中で国家の統治手法を巡って対立が見られます。折を見て、民主主義とはどういうものなのか、私の今までの考えをまとめてみたいと思います。

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