逃走中 in 学校内 週に一回の攻防

これは、昔の話である。

特別支援学校では、授業を進行する教員(MT)と授業をフォローする教員(ST)で構成される。今回は、自分がSTになった時の話をしたい。

試し行動の連続

自分が主に担当した生徒は、離席が多く、場合によっては教室から飛び出してしまうこともある生徒だった。初対面からその行動が起こされた。突然立ち上がり、教室の隅へ行ってしまった。こちらが近づくと離れていく。こちらが離れると近づいてくる。この繰り返しであった。もしかしたら、遊んでいるような気持ちだったのかもしれない。お互い呼吸を読み合う戦いのようだった笑。もはや、鬼ごっこだ。

お互い一歩も譲らない攻防

週に1回の授業だったので、生徒との信頼関係は築きにくかった。一度も離席しない日もあった。だが、教室から飛び出してしまう日もあった。ある日、離席した時に「あえて無視をした」、「相手にしないようにした」。そうすると、満足いかなかったようでこちらを誘ってくる動作をしたが、無視し続けた。すると、自然と席に戻っていた。

行動の意味を考える

その生徒は、離席することで教員とのコミュニケーションを望んでいたのかもしれない。しかし、無視されるのは、自分の思いとは違ったのだろう。コミュニケーションを取りたいという思いを汲み、正しいやり取りをした際には、大いに反応した。生徒が楽しめるように関わった。すると、鬼ごっこという遊びではなく、授業の活動内での関わりへと変換された。行動の裏には必ず意図がある。それを考えなくてはいけない。

試し行動と言われるものは、特別支援学校ではたくさんある。また、そんな話ができればと思う。次回もお楽しみに。


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