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猫とプライドと私

最近、猫を飼っているお宅にお邪魔する機会が多い。

「猫がいます」と事前に聞いてはいるものの、いつもちょっぴり緊張する。

猫様は私のこと見てくれるだろうか?って。

学生時代、大学に住み着いている猫がいて、池の周りのベンチで話に弾む女子大生の足元を「にゃーん」とすり寄っては可愛がられていた。

猫の側ではちゃんとすり寄る相手をきちんと見分けているようで、私は一度もすり寄られたことはなかった。そのことに私は密に傷ついていた。

「私は猫にも好かれないんだ」と。

そのくせ、猫と仲良くなろうとしたり猫に声をかけたりすることはなかった。意味のないプライド。

そんな捩れた過去があるので、猫のいる家に行く時は猫に好かれなかった自分のみじめな気持ちが蘇ってちょっぴり緊張する。

そしてそのお宅の猫が寄ってきてくれるとホッとして嬉しくなる。

でも何人かでお邪魔した時には、やっぱり猫様のサービスは相手によって濃淡があり、私は淡い側。

ちょっぴり寂しい気持ちになりながらも、オープンマインドで猫に話かけたりできないプライドをまだ持っている自分を反省したりしている。

そんなひねくれたアラフィフの話。



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