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もう一人の自分(ACT実践編⑨)

前回は、私たちの行動について
チョイスポイント」という
モデルを紹介しました!

シンプルかつ強力なモデルですので、
ぜひ一度使ってみてほしいものです。


さて、今回は
「もう一人の自分」について
お話していきます。

とはいえ、
二重人格とか、
霊的な話ではありません。

あくまで心理学的な話です。

今回の話は、
ACTの中でもややこしい部分です。

でも、この視点があると
ACTでやっていることがつながって見える、
という内容でもあります。


もし、あなたが今

「考えすぎてあまり行動ができない」

「自分に自信がない、価値がないと思う」

そのように感じているのなら、
この記事がお役に立てるかもしれません。
とはいえ、間接的に、です。


「もう一人の自分」


突然ですが、

「あなたはどんな人ですか?」

を聞かれたら、どのように答えますか?

このような質問をされると
ありがちなのが、

「◯◯の仕事をしています」
「年齢は〜〜歳です」
「△△出身です」

という答えです。

自己紹介にありがちですね。

でもこれは、
「あなたはどんな人ですか?」
に本当の意味で答えていません。

「どんな人?」の答えには、
「優しい人」「有能な人」「ダメな人」
などが出てくるはずです。

日常生活で、
面と向かって聞かれることは
少ないですよね。

多くの場合こうした側面は、
他人を評価する、あるいは
他人から評価される時に現れます。

でも、私たちは日常的に、
自分に対して「私は◯◯だ」
と意識しながら生きています。

これは、
セルフイメージとか自己概念とか
そのように言われるものです。

自分で思う自己像、自分像のこと。

これは多かれ少なかれ
すべての人が持っています。

厄介なのは、「私はダメな人間だ」とか
「私は有能な人間だ」というイメージに
固執してしまう時があるということです。

ACTの用語を使えば、
自己像と「フュージョン」している状態。

ほどよく自分に自信があるなら
よいですが、

例えば

「私はダメな人間だ」と思いこみ
本当はできるようなことにチャレンジしなかったり、

「私は有能な人間だ」と思いこみ
助けが必要なのに抱え込んでしまったり、

そうした「心が硬い」状態になってしまう
場合もあります。

こうした「概念化された自己」を
私たちは普通「自分」だと思っています。

でも、
自分て本当にそれだけでしょうか?


チェス盤のメタファー


ここで少し、
チェスをイメージしてみてください。

チェスには、白と黒の駒があります。

この駒は、
あなたの頭に浮かぶ思考だと思ってください。

つまり、
白い駒はあなたの頭に浮かぶポジティブな思考で、
黒い駒はあなたの頭に浮かぶネガティブな思考です。

今、対局が始まりました。

白い駒が動きます。
「よし、私はできる人だ。うまくやれたぞ!」

しかし、今度は黒い駒も動きます。
「待てよ、途中ミスがあったじゃないか。
 できる人ならそんなミスしないぞ」

白い駒も負けじと動きます。
「とりあえず完了できたからいいじゃないか」

黒い駒も動きます。
「あのミスで上司の印象悪くしちゃったんじゃないか。」

どうやら黒い駒が優勢のようです。
「あのミス前もしたよな。ミスを繰り返すなんて、
 自分はできない人間なんじゃないか」


さて、
イメージできているでしょうか。

このチェスは、あなたの頭の中の闘いです。

大概、言葉にできなくても
頭の中ではポジティブとネガティブが
どっちも現れて争いをしています。

決着がついた!と思っても、
考え出すとまた泥沼にハマってしまう。

そんな経験はありませんか?


ところで、このチェスとの闘い、
もう一つ重要な存在があることに
お気づきでしょうか?

プレイヤー?
それはどちらもあなたなのです。
あなたの頭の中ですから。

もう一つの存在とは・・・

チェス盤です。

上の闘いの間、
あなたの意識はずっと
駒つまり思考に行っていました。

しかし、
白い駒や黒い駒が動いている間も、
チェス盤は存在し続けていました。

それがないとチェスは動けませんから。

実は私たちの心の中には、
こうしたチェス盤のような存在があります。

今、あなたはこのチェスの例えを
イメージしながら考えていますね?

でも、少し意識をずらしてみると、
「考えている自分」に
「気づく自分」がいませんか?

「ん?ややこしいな?」と思うかもしれません。

それも「ややこしいな」という考えが
頭にあります。

でも、「今ややこしいなと思っているな私」と
気づくことができる自分を発見できますか?

実は、それが今回言いたい
「もう一人の自分」です。

ACTでは、
「文脈としての自己」とか
「観察する自己」と言われます。

この記事の流れでは、
「気づく自己」という方が
良いかもしれません。


この存在に気づく人は、
私がこれまで紹介してきたACTの実践
すべてに関わることだとわかるでしょう。

思考と距離を置きたい時には、
まず「自分が思考にとらわれている!」と
気づく自分がいないといけません

そのように、
一度気づいてしまえば、24時間365日、
あなたの中に存在しているもの
です。

分かりやすく「もう一人の自分」と
タイトルをつけてみました。

考えたり感じたりする自分がいて、
その自分を少し俯瞰で見ている自分がいる。

常に、その自分に意識を向ける必要はないですが、
そうした自分がいると知ることは、
自分をモニタリングする時に重要です。


おわりに

最後までお読みいただき、
ありがとうございます!

今回は、
チェス盤のメタファーを用いて
「気づく自己」について学びました!

ここはあまり深入りせずに、
「俯瞰しているもう一人の自分がいるんだ」
くらいに捉えると良いかもしれません。

でも、自分が思考や感情にとらわれているとき
それに気づくのが、この「気づく自己」です。

相当重要な考え方なので、
できれば、掴んでおきましょう!

最後までお読みいただき
ありがとうございました!


ACTの全体像については、
以下の記事をお読みください!

また、私の運営するジブンテツガク・プログラムでは、
ACTをベースとした心理スキル習得のための
エクササイズ
も提供しております。

プログラムの詳細はこちらをご覧ください。

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