もっと堂々と生きたいと思った
もっと堂々と生きたいと思った。
山のように悠然と
鳥のように胸を張り
猫のように泰然自若と
毎日わたしの目に飛び込んでくる自然の在り方を見習って。
わたしもちゃんと、自然の一部として。
物心ついた頃にはもう、俯きがちな人間になっていた。
子どもの頃から背が高く、それを隠したかったからとか、そういう物理的なこともあったけれど、たぶんそれだけではないだろう。
わたしは「わたしであること」の自信を持てていなかった。
「自分は生きていていいんだ」という感覚を失っていた。理由はいろいろあれど、存在の大前提を肯定できない日々は、わたしの萎縮を増長させるのには十分だった。
「こんな自分でごめんなさい」と思いながら、背を丸め、縮こまって、俯いて、そのまま大人になって、いつもどこか不安で、それらの不安が入り込む隙間をなくすように、せかせかと早口でしゃべるのが当たり前になっていった。
そんなわたしが、先日、山々を眺めながらふと「もっと堂々と生きようかな」と思った。
何かを考えていてそう思ったのではなく、その想いは突然湧き出てきたのだった。
新緑の山々が堂々と連なっている姿を、純粋に「格好いい」と思ったからかもしれない。
思えばわたしが素敵だと思う人たちは、みな堂々としていることに気づく。
姿勢が良くしなやかだったり、落ち着いてゆっくり話していたり(以前このエッセイにも書いたな)、時間の余白を愛していたり。
ずっと自信がなく俯いて過ごしてきたわたしから、自然に湧き出た「堂々と生きたい」の想いは、大切に汲み取って。
これからの日々に、繋げていこうと思う。
おわり
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