迷ったときの指針になる「自分を変えた一言」
成功者は、自分を変えるきっかけになった一言を覚えている。
テレビの画面から、本田圭佑がわたしに語りかける。彼が運営する「NowVoice」という音声サービスのCMだ。
「自分を変えるきっかけになった一言」
その言葉を引き金に、「自分にとっては、何だっただろうか」と考え始める。
(自分のことを成功者だなんて思っていないけれど、そこはいったん置いておく)
じっくり考える必要もなく、すぐに「やっぱりこれだよなあ」と思い浮かぶ言葉がふたつ。
生き方が変わったきっかけと、仕事のやり方が変わったきっかけ。それぞれ書いてみる。
自分の生き方を変えるきっかけとなった一言
7年前のわたしは、めちゃくちゃ過去に縛られて生きていた。
何をやっても、過去を理由にして「わたしはダメだ」に行きつくような。
自分が自分を認められないのは幼少期の経験のせいだ、人との距離感がわからないのは中学時代にいじめられたからだ、人を愛せないのは育った環境のせいだ、とか。
そんな歪んだ思考に「自分」が耐えられるわけもなく、7年前の夏、心の調子を崩した。そのときの頭の中は「わたしは何をやってもダメ、だってこれまでもそうだったから」でいっぱいだった。
その年の冬、わたしは個人の心理カウンセラーさんが主催するマンツーマンのメンタルトレーニングを受けた。
初対面で過去の経験やトラウマの話を次から次へと発するわたしに、そのカウンセラーさんが放った言葉は、その後のわたしの生き方を変えた。
わたし、過去のミキさんには興味がないんです。
ミキさんはこれから、どうしたいですか?
過去に縛られるのが当然だと思っていたのに、「興味がない」とバッサリ切られる衝撃。
「過去と未来って、別々でいいんだ…!」という新たな気づき。
これまでがどうであれ、これからは自分でつくっていけるのだ、と。
それから少しずつこの考え方が自分に染み込んで、過去の環境や経歴と「これから」を切り離して考えられるようになったと思う。
自分の仕事のやり方を変えるきっかけとなった一言
2017年、春。わたしは「ほぼ日の塾」に通っていた。
主宰は糸井重里さん率いる「ほぼ日」。対談記事の執筆や好きなものについてのエッセイなど、Webコンテンツ制作を実践の中で学ぶ内容だった。
課題は全部で3つ。そして今でもその衝撃を鮮明に思い出せる一言は、3つ目の課題のフィードバックとしてもらった言葉だ。
マツオカさんはどういうものをつくりたいのでしょうか。
なにを目指し、どうありたいと思うのでしょうか。
(中略)
そこからどれくらいの燃料を燃やして、どのくらいの速度で、
どこへ向かうのかという「意気込み」が必要になってくるかと思います。
フィードバックには、わたしの書いたものは「それほどおもしろくない」ということ。そして、「その上で考えてみてほしい」として、この言葉たちが記されていた。
正直なところ、わたしはそのとき「書く」ことで精一杯だった。そしてどこかで「ちゃんと書けている」とも思っていたのだろう。
なにを目指し、どうありたいのかを考えることを怠っていたと思う。
今ならわかる。わたしは、ゆっくりと、でも熱量をもって、「みんなが自分らしく生きられる世界」を目指していきたい。自分を含め、まじめに一生懸命生きる人達が、損をしない世界に。
わたしがそういうことを意識するようになったのは、この一言がきっかけであり、今もわたしの中にずっと沈殿して、ことあるごとに浮かんでくる一言なのだ。
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こうして考えてみると、成功者に限らずとも、きっと「自分を変えてくれた言葉」というのは、多くの人が持っているのかもしれないなと感じる。
そしてそれらは、その人をつくる大事なピースとなって、いつもその人の中にある。
わたしがいつも、これらの言葉を思い出し、迷ったときの指針として進んできたように。
さて、あなたには、どんな「自分を変えるきっかけになった一言」がありますか?
おわり
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