猫を保護するひと。

2023年2月25日 15:37

People 7　ジョンソンホームズ営業　加藤さやか

保護猫のボランティアに携わり、これまでの生活が一変。
きっかけは1匹のノラ猫との出合いでした。

1年半の間に3匹のノラ猫を保護

初めて猫を保護したのは2020年12月。札幌の円山にある実家の近くで、しばらく前から子猫２匹がうろうろしていると母親に聞いたのがきっかけでした。
「雪が降る前に保護しようと、近所の人と一緒に捜索し、捕獲したのが１匹のキジトラちゃん。当時、私の住んでいた賃貸がペット可だったので、とりあえず連れ帰ったら、めちゃくちゃ可愛くて、あさひと名づけて、そのまま飼うことになりました」
その半年後、知人の家の庭でノラ猫が子猫を産んでしまい、1匹だけ引き取り手が見つからないと聞き、2匹目（ギネス）を迎え入れたのが2021年6月。すると賃貸の部屋が狭く感じるようになり、持ち家の方がいいのではと、猫のために中古マンションを購入。リノベーションをして去年の春に引っ越しました。
しばらくすると、実家の近くでまたノラの子猫が目撃されたので、捕獲器を仕掛けて捕まえたのが３匹目のエビス。子猫ではなく成猫でしたが、もしかしたら前に捕獲できなかったあさひの兄弟かもしれず、結局、保護猫3匹をペットに。最初の猫の保護から、わずか１年半ほどの間の出来事でした。

猫沼にどんどんハマって

もともと実家では犬を飼っていましたが、猫を飼うのは初めてのこと。猫は犬にくらべて気難しいというイメージでしたが、実際は３匹とも甘えん坊でした。
「話しかけると返事をするし、呼んだら来るし、添い寝もしてくれる。コミュニケーションとれるというか、何考えてるか分かるんですよね」
３匹を世話するだけでもすごいのに、自宅には他に２匹の預かり猫がいるという。「預かりボランティアを始めたのはTwitterがきっかけ。私が実家そばでノラ猫を捜索中、情報収集にTwitterのアカウントをつくったことで保護猫の活動をしている人や団体とつながり、自分にできる範囲のお手伝いをするようになりました」
たとえば、高齢者が病院や施設に入ってたくさんの猫が取り残される多頭飼育崩壊の場合、「誰か預かってくれませんか」という呼びかけに応じて、迎えに行ってしばらく預かったり、引き取り希望者を自宅に招いて猫とお見合いしてもらったり、譲渡が決まった猫をお届けに行ったり…。猫を保護する活動を続けています。
「預かりボランティアのほかにも、掃除ボランティア、譲渡会へ猫を連れていく送迎ボランティアなど、お手伝いする場面はいろいろあるんです。実は会社の同僚も２人、保護猫を引き取ってくれて、猫沼にハマる人をどんどん増やしています（笑）」

病気のケアも、人慣れ訓練も

ノラ猫は風邪をひいている子も多いので、目薬をしたり、薬を飲ませたり、手厚くケアします。人に慣れていないため、攻撃的な子もいますが、猫用おやつ「ちゅ〜る」を使って少しずつ距離を縮め、１カ月くらいかけて順化させるのだそう。
「ノラちゃんを保護して、おなかいっぱい食べさせて、元気になって里親さんにもらわれていくのを見届ける。寂しいけれど、それを上回るうれしさがあります」
保護猫の活動を始めてから、生活は完全に猫中心。エサや猫砂に毎月２万円以上を使いますが「前は趣味に同じくらい使っていたから」と気にしません。
「猫をペットにしたいと考えている人は、ペットショップで買うのではなく保護猫を選択肢として考えてほしい」
寒さとか飢えとか交通事故の心配なく幸せに暮らせる猫が１匹でも増えてほしいと願っています。