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職場からLGBTQについて考える 第6回ミッション研修レポート

私たちJPTは「障害の有無に関わらず、全ての人が対等 (parallel) で、社会的意義を感じながら持てる技術 (technologies) を発揮して働ける社会の実現」をミッションに掲げています。

社会への視野を広げ、ミッションを身近に感じることを目的に開催している「ミッション研修」も6回を迎えました!

よく聞く、けれども会ったことのない存在

みなさんの身近に、いわゆるLGBTQ当事者の方はいますか?
電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2018」によると、LGBTの方は日本に8.9%いるそうです。

障害のある方が7.6%と言われていますが(※1)、それよりも多いんですね。
にも関わらず、どうして私の周りには当事者の方がいないのか…?
ずっと不思議に思っていました。

テレビやネットの中で見聞きすることは多いのに、なぜだろう。
自分の知人・友人はたまたま全員マジョリティなのかな?
いや、本当はいるけれど、「私が知らない」あるいは「見えてない」だけなのでは…?

そんなモヤモヤが募り、ぜひJPTのみんなでこのテーマについて考えてみたい!と研修を実施しました。

(※1) 出典:内閣府(令和2年)「令和2年度版障害者白書」

ReBitさまと私たちの重なり

今回お話を伺ったのは、認定NPO法人ReBit キャリア事業部マネージャーの井澤 明穂さま。

ReBit(リビット)は2009年に早稲田大学で設立された団体で、「LGBT を含めた全ての子どもが、ありのままの自分で大人になれる社会を目指す」をミッションに掲げています。

ReBitの皆さんが子ども時代に悩んだり、苦しんだりした経験から学校での教育事業に力を入れているほか、大人の「アライ」(※2)を増やすことが子ども達にとっても大切だという考え方にもとづき、自治体や先生、企業、就労支援者向けのアプローチも行っています。

「誰もがありのままで大人になれる社会」というキーワードに私たちのミッションとの重なりを感じ、ご登壇頂きました。

(※2)
アライ(Ally)、正しくはストレートアライ(Straight Ally)と言います。自分は、LGBTでは無いけれどLGBTの人たちの活動を支持し、支援している人たちのことを言います。

一般社団法人日本LGBTQ協会ウェブサイトより

見えないからこそ、「違う」を前提に

「SOGI」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

SOGIは「Sexual Orientation & Gender Identity」という言葉からきていて、「性的指向と性自認」という意味だそうです。

一人ひとりの性のありかた(セクシュアリティ)は

・自認する性 (性自認)
・からだの性 (生物学的性)
・好きになる性 (性的指向)
・表現する性 (性表現)

という4つの要素の掛け合わせでできており、とても多様だということ。

性自認と生まれた時に割り当てられた法律上の性が一致していて、異性を好きになることを「シスジェンダー・ヘテロセクシャル」というと知り、私のセクシュアリティの在り方も、さまざまな掛け合わせの中の一つに過ぎないんだ!と、自分自身に対する見方が変わった気がしました。

最初に井澤さまからLGBTQは見えにくいマイノリティだというお話がありました。
そうしたときに「いるかもしれないから気をつけなきゃ」ではなく、違うことが当たり前だと考えると、自然と振る舞いも変わるのではないかと感じました。

ジェンダーバイアスから生まれる生きづらさ

今回のお話で一番ハッとさせられたのは、LGBTQの皆さんの生きづらさは、ジェンダーバイアスやジェンダーイクオリティの問題とも重なっているということです。

女の子(男の子)なんだからこれが好きだろう。
こういう服が、こんな色がいいだろう。

そんな、誰しもが持っている「性別」に対するまなざし。

一人ひとりの性のありかたは、本来ものすごく多様であるはずです。

なのに、どこか一つでも周りのまなざしとズレてしまうと「変」だと思われてしまう。
周りのジェンダーバイアスが、その枠にフィットしない子どもを苦しめるのだということに、胸が締め付けられました。

いま、ジェンダーイクオリティを掲げる企業も増えている中で、その根っこにはジェンダーバイアスがあると言われています。

男性は大黒柱。女性は家庭や子育て優先。
男性がリーダー、女性はサポート。

こうしたまなざしが、誰かの、もしかしたら自分自身の「生きづらさ」にも繋がっているかもしれない。
企業で働くいち社会人として、そして母親として。
私自身の、そして周囲のバイアスにも気づく力を持ちたいと思いました。

研修を終えて

参加した皆さんからは

・精神障害の取り扱われ方と似ている部分もあると感じた(外見ではパッと見てわからないことや、配慮が必要なことなど)。企業組織の中では、誰に対してもフラットな態度かつ、各々に対する敬意を持てたら働きやすい職場になるのかもしれないと感じた。

・これだけ世の中で叫ばれるようになってもなお、生きづらさを抱いている方がまだいるし、環境も整っていないということが分かった。自分でできることは限られているかもしれないが、意識をしていこうと気づかされた。

などのコメントを頂きました。
社内のチャットツールで感想をつぶやいたり、その呟きにリアクションして下さる方もいて、とても嬉しかったです!

井澤さま、参加して下さったみなさん、ありがとうございました。 


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