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英語教育とゲーミフィケーション~書籍「世界トップティーチャーが教える 子どもの未来が変わる英語の教科書」より

 こんにちは。ゲーミフィケーション賢者Lv98の”きっしー”です。

 11月23日(ゲームの日)藤本先生、正頭先生登壇、「ゲームカレッジ Lv99」キックオフウェビナーというイベントを聴講し、登壇された正頭先生(立命館小学校 英語科教諭/ICT教育部長)のことを知りました。マインクラフトを使った英語授業で、教育界のノーベル賞の最終ノミネートに入った小学校の先生とのこと。なんと面白そうなー。

子どものモチベは足が速い

この時の講演で印象に残っているのは、「子どものモチベーションは足がはやい。」というお話。

早速、正頭先生に興味を持ったので、著書の『世界トップティーチャーが教える 子どもの未来が変わる英語の教科書』(正頭 英和著、2020、講談社)を読んでみました。

Amazonに書いてあった本の説明です。

AIが数々の職業を奪うと言われる新時代。AIに負けない子どもを育てるために必要な教育・子育ての常識のシフトチェンジとは?「教育界のノーベル賞」トップ10ファイナリストが、数々の実践から、家庭でもできる取り組みを考える。アップデートの鍵を握るのは、英語学習だった!

前半の英語学習の部分も素晴らしいのですが、私的には、最後の「CHAPTER5 AI時代に求められる親の対応力を磨く」に、多くのゲーミフィケーションとの関連性を見つけましたのでご紹介します。

 自信がない子どもは往々にして「褒められ下手」です。「褒められ下手」とは、褒められているのに、変められていることを自覚していないことを意味しています。そして面白いのは、子どもは、自己肯定感が低いから褒められ下手なのではなく、褒められ下手だから自己肯定感が低い、という事実です。 
 自己肯定感は高ければいい、というものでもありませんが、低すぎると自信を持って新しいチャレンジがしにくくなります。

そうか、大人は誉めているつもりなのに気が付かない子どももいるんですね。これは意識せねば。

 子どもを褒めて自己肯定感を高めてあげる方法として有効なのは、褒めたいことの可視化。”見える化"です。
 僕は褒めたいことを可視化する際は、子どもたちの良いところ、頑張ったところを具体的に書き出して手渡しします。使うのはいつも赤ペン。科学的な根拠はありませんが、Wordで作成しプリントアウトしたものよりも手書きの方が思いは伝わりやすいと感じています。デジタルネイティブ、動画ネイティブの子どもたちも、なぜか手書きをを喜びます。
 それも教室で子どもたちの前で堂々と書くようにしています。コメントを書いて姿を見せることも「変められている」という実感につながるからです。

”手書きでカードに””赤ペンで””頑張ったところを具体的に””手渡し””書いている姿も見せる” 具体的な事例が書かれていて役立ちました。”子供たちの前で堂々と書く”は、なぜか褒めることにテレがある日本人に、褒めることは素晴らしいを伝えている気がしました。

ゲーミフィケーションの中でも、人にやる気になってもらうために《称賛の演出》《成長の可視化》を重視します。
ゲームでは、レベルやスコアなどの数字を使って、プレイヤーの成長を”見える化"します、《成長の可視化》。目標を達成した時の「STAGE CLEAR!」「You Win!」の表示やボイスは、分かりやすくプレイヤーに称賛を伝えるものです。子どもたちも褒められていることに気づくはず、《称賛の演出》。

正頭先生の実践事例は続きます。

僕の体験上、男の子は「〇〇〇に頑張っているあなたに先生は可能性を感じます」とひたむきな努力と未来への可能性を褒めると喜び、女の子は「〇〇ができるようになってスゴいね」といった変化に気づいてあげるとやる気につながることが多いです。

ゲームでも一般的に、男の子は最終ゴールを目指すことを好み、そのために中目標を達成したり成長しようとします。
女の子は、目の前の細かい変化を好みます。キャラクターの見た目の変化や、部屋においたカワイイ家具など。
一般的に、男の子は遠くを見ていて、女の子は近くを見ていると言えるかもしれません。それを踏まえて上手に褒めてあげる。

大事なのは、正頭先生のやっていることをそのまま真似るのではなく、自分の目の前の子どもの目線になって、どうやれば子供たちがやる気になるかを考えていくこと、《能動的な参加》。
一人一人違うので細かく観察することが必要です。もしゲーミフィケーションの対象が子どもではなくても、生徒、部下、同僚に置きかえて考えてみてください。

・集中力ややる気を入れる魔法のスイッチなんてものは、残念ながらどこにもない。
・課題に取り組む内に次第してくる。
・「やる気を出して頑張りなさい」は不適切。
・スタートは時間、フィニッシュは量。

アンダーライン部分だけ紹介しました。
これも実践的で共感できます。

勉強でも仕事でも片付けでも、命令することにより対象者に無理やりやらせることは可能ですが、短期的にしか続きません。さらに、人はそれが嫌いになる。人生100年時代、ずっと嫌いのままに。
ゲーミフィケーションは無理やりではなく、人が自らワクワクスイッチを押す様に仕向けること。人生100年ずーとそれが好きになる。
強制的参加でなくて、《能動的な参加》。ほぼ達成不可能な目標設定ではなく、《達成可能な目標設定》。ダメ出しではなく、《称賛の演出》。相手の気持ちになると、ゲーミフィケーションは考えやすいと思いました。あー、正頭先生と話してみたい。

(おわり)

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#日本ゲーミフィケーション協会 #英語の教科書 #正頭英和

執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/

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