ブックレビュー:『西欧800年の指輪史』(レイチェル・チャーチ著)
ヘッダー画像の出典:ガイアブックス商品ページ https://www.value-press.com/pressrelease/235479
今回の課題本はこちらです↓
レイチェル・チャーチ著・和田侑子訳『西欧800年の指輪史』(ガイアブックス2020年発行)
今回は、読んだ感想やおすすめポイントを3つご紹介します。
1 時代順に、指輪デザインの変遷を知ることができる
V&Aのコレクションを紹介した本は、他にもありますが、その中でも、指輪に絞り、しかも時代順に書かれていることが特徴であるだけでなく、ファッショナブルな装丁になっていると思います。
V&Aの名品でみるヨーロッパの宝飾芸術
https://www.amazon.co.jp/dp/4808709678/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_RBFB5GQ15FAHPPVFH77R
図説 指輪の文化史 (ふくろうの本/世界の文化)
https://www.amazon.co.jp/dp/4309762735/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_KDQP3BP1YQP5D901NKZ8
2 多様なビジュアルで、指輪デザインの幅の広さを感じることができる
メメントモリや、ポージーリング、ギメルリングやシグネットリングなど・・・・名前は知っているよという方も、改めていろいろな多彩なデザインのバリエーションを見ることができます。
出版社の宣伝文句にも、
「アクセサリーの業界人が営業や勉強のために用いるものです。ジュエリーデザイナーのイメージ喚起にもつながります。」
「同博物館は服飾に関する品、特にアクセサリー類の展示に力を入れてきました。銀座蔦屋のアート担当から、同博物館のコレクションを書籍にしたシリーズを出して欲しいという要望が出されたこともあり、まずは指輪からスタートしたものです。今後は、当書籍の評判を見て、靴やバッグなど、その他の服飾関連品の刊行を検討します。」
と書かれていますので、業界の人は買ってください!(この先ジュエリーの翻訳本を出そうとしてくれる出版社のモチベーションにもなりますからね)。
3 指輪というものの、歴史的社会的役割の幅広さを理解できる
どうしても男性が女性にプロポーズのときに贈るみたいなイメージがこびりついていますが、この本では、
・女性が恋い焦がれる男性に贈った指輪
・弁護士会の任命式でもらうリング
・歯痛を防ぐための指輪
など、
多様な社会的役割を果たしてきたことが分かります。
我々にいかに、デビアスの戦後のマーケティング戦略が染みついていたかがわかります。
難しいことを考えずに、眺めているだけでも楽しいビジュアルブックなので、是非チェックしてみてください!
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