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ほろ苦かった、はじめてのバレンタインデー。

あれは、母親以外から
チョコレートがもらえるということすら
考えたこともなかった小学4年生の
バレンタインデーのこと。

その日も、近所に住む
クラスの人気者「うどん屋のやすし君」の家で
ファミリーコンピューターに興じていました。

ピーンポーン♪!

インターフォンが鳴りました。

ゲームに夢中なやすし君が言いました。
「ジェッツ君見てきて!」

「了解!見てくる!」

ドアを開けるとそこには、
クラスのおませな女子3人組。

「えっ!?」

「えっ!?」

「やすし君は?」

「呼んでくるわ!」

やすし君を呼び出し、
目の前でクラスのおませな女子3人が
人気者のやすし君に
玄関でチョコレートを渡すところに
不覚にも出くわしてしまったのです。

バレンタインデーって
ホンマにもらう人がいるんや…。

我ながら、恥ずかしさでその場から
消えて無くなりたくなりました。

そして、
人気者のやすし君は
もう何年もチョコレートを
もらっているらしいことも
容易に理解ができました。

その日は、頭の中で色んなことが
ぐるぐる回って
その後のゲームも上の空で
何もかもがおもしろくなくなって
すぐに家に帰りました。

そして、家に帰り
上の空でTVを見ていました。
何も頭に入ってきません。

そんな中、
インターフォンが鳴りました。

母親が対応し、
私の元にやってきました。

「クラスの子が来てはるよ」

「???」

玄関には、
先ほどのクラスのおませな女子3人が居ました。

「どうしたん?」

「さっき、見られたから…。
はい、これあげる。
でも、義理チョコやしな」

「あっ、ありがとう…。」

鈍感な私にも容易に理解できました。
女子3人からの口止め料だということが 汗

だけど、母親にはチョコをもらったこと以外
詳しくは伝えませんでした。

母親がなんだか浮かれています。

完全に勘違いしています 笑
だけど、敢えて訂正をしませんでした。
だって、傷つくのが辛いからです。

夜、父親が帰ってきました。
母親からクラスの子に
バレンタインデーチョコをもらったことを
聞いた瞬間から、
ビックリするくらいの喜びようです。

完全な誤解です 汗

でも、誤解は今さら解くことはできません 笑

でもなんだか、
じわじわと嬉しくなってきました。
口止め料とはいえ
女子からチョコをもらったことは、
間違いない事実だからです。

しかも、3人から。
去年までは、0だったのですから。

そして1ヶ月後のホワイトデーに、
父親が嬉しさのあまり
かなり奮発したお返しを私に持たせました。

確か、お弁当箱かなにかだったと思います。

その投資に対する、
リターンの良さ。



費用対効果の高さから、
小学校卒業までの間チョコレートを
毎年いただけることになりました。

リターンの高い口止め料の義理チョコ。

ほろ苦いバレンタインデーの思い出です。

小学校卒業とともに私は引っ越しをしました。
中学生になってからは、
再びチョコレート0記録を
新たに刻むことになったのです。

そら、リターンが高いからもらえた義理チョコですからね 笑


私事ですが、
noteをはじめて本日で丸2年。
おかげさまで、
気づけば727記事を投稿していました。
いつも、読んでくださって
ありがとうございます。
これからも宜しくお願いいたします。

なんしか、カッコいい大人になろう。

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