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春の信州母娘旅〜善光寺編〜

旅行の数日前になって、母があることに気がついた。

「今年、善光寺のご開帳だよ。しかも私たちが行ってる日から始まるよ」(※新型コロナウイルス対策で昨年延期の影響)

ナニー!!!

それは絶対行かねばならん!

というわけで、旅行2日目は松本から長野に移動して、その日訪れた善光寺について書きたいと思う。

善光寺とは??

善光寺は宗派のない寺院。
7年に一度行われるご開帳。絶対秘仏である御本尊の代わりに、「前立本尊」を本堂にお迎えして行われる、長野の春を告げる行事だ。

昨日も書いたように、23年前に家族で善光寺を訪れた。その際はご開帳の年と重ならなかったが、有名なお戒壇めぐりだけをしてきた(真っ暗な中を進んでいき、極楽の錠前を触るというもの。お化け屋敷より怖い)

その日は雨の予報だったので松本を早くに出発。だが私たちの心配とは裏腹に、とても良いお天気となった。

前立ち本尊ご開帳のお知らせ。
門前町の向こうに善光寺が見えてきた。
見えてきた回向柱えこうばしら。この柱は前立本尊と綱で結ばれており、前立本尊に直接触るのと同じご利益があるとされている。

ゆっくりゆっくり進んでいると、突如アナウンスが。

「これからお導師様がお通りになります。皆さま、道を開けて合掌をしてお待ちください」と。

善光寺は無宗派の寺院ではあるが、実はお二人の住職がいる。善光寺の朝の法要において、住職からお数珠頂戴(大勧進の御貫主【おかんす】様、大本願の御上人【おしょうにん】様が導師として本堂に出仕される際、その往復の道中にてひざまずく参拝者の頭へ、手にされた数珠で触れ、功徳を授けてくれること。現在は新型コロナの影響で実施されていない)の儀式があることを以前から知っていたので、お導師様を拝見できるだけでもラッキーだ。

その時ばかりは写真を撮る気持ちには全然ならず、ただただお導師様が通りすぎるまで、手を合わせながらお祈りした。こんなに幸運なことはないし、なんだかありがたい気持ちになった。

しばらくしてから前立本尊と繋がっている柱にも触れることができ、本堂でお参りも済ませた。

さらにもう一つ。
おそらくご開帳に合わせて特別なのだろうが、御印文頂戴というのも母と二人でしてもらった。

御印文頂戴【ごいんもんちょうだい】(1月7日〜15日)

落語「お血脈」でも知られる善光寺の御印文【ごいんもん】は、善光寺如来の分身といわれる三判の宝印で、この「御印文」を僧侶が参拝者の頭に押し当てる儀式です。「ごはんさん」とも呼ばれます。この御印文で額に判を押された人は極楽往生が約束されると言われています。
善光寺HPより

額ではなかったけど、頭にぎゅーっと御印文を押していただいた。
なんだか本当に極楽に行けるんじゃないかと思って、母も私も「ありがたいねぇ」と知らず知らず目に涙を浮かべていた。

こうして旅行ができるのも、お互い生きているから。そして元気に歩けるからだと思う。
日々悩ましいことがたくさんある中で、少しでも平安な気持ちが持てる日々が訪れますように。
そんなふうに願わずにはいられない旅だった。

母が「とても楽しい旅だった」と帰宅後にLINEでメッセージを送ってくれた。

電話だと分かり合えないことも、対面で話すことで伝わることがあった。

お天気にも恵まれ、善光寺のご開帳に巡り合う奇跡。

感染再拡大の最中ではあったが、今回は旅に出てよかったと思う。

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