2023/05/07 論文10本ノック
気を抜くとまた好きな音楽の話か、人間関係の悩みの話をしてしまうので、今日はしっかりめに思考を残しておくことに。
読んだ論文と考えたこと
GWは教授に課された「論文10本読む」という宿題を果たすべく、Annual Review of Economics というサイトを大学の権限を使って渉猟している。以下はそこで見つけた話と考えたことを雑多に書いている。絶対あると思うけど、誤りがあれば指摘していただけるとありがたいです。そうでなくても、どうか「誤りがある」という前提のもとで読み進めてください。(書いたことの全てに責任は持ちます。)
そのジャーナルに掲載されていた ”The Impact of Health Information and Communication Technology on Clinical Quality, Productivity, and Workers” という論文の中で、ICTと医療の現場についての研究を発見した。HICT(健康情報通信技術)の導入によって医療効果 (実際に患者が良くなるのか) や医療従事者の生産性、雇用、医療費の削減などにどのような影響が及んだのかを実証的に明らかにしようという論文だった。Abstract以外は公開してはいけないみたい (私人の閲覧は有料) なので、そこだけ引用しておこうかな。
Abstractからも分かる通り、HICTはおおむね医療現場に有益らしいが、今のところ劇的なものではなく、発現にも時間がかかり、またその度合いには大きなバラつきがあるとのこと。要因については論文中に「学習データが増えていくことで効果が大きくなる (バイアスがある場合は同時に強化される) 」「使い慣れるまでに時間を要する」というような話がでてきた。最近の研究であればあるほど、医療においてポジティブな影響を与えているという傾向も指摘されていたが、この現象についても上記のようなことから説明がつく。
また、HICTは生産性の向上に寄与しているにも関わらず、その導入の障害になるものの存在も示唆されていた。例えばプライバシーをより手厚く保護するような法案が通過すると、それに反応して導入率が下がるらしい。データをシェアすることの便益が低下するからだそうな。ソフトウェアを作っている企業それぞれが、他社との互換性を持たないようにするという理由もあるらしい。つまりプロバイダー間の情報共有体制にはまだ伸びしろがあるっぽい。
問題点として、HICTを導入した結果として「単価を上げられる」という話が出てきていた。他の要素は特に変化していないにも関わらず、先端技術の導入を理由に単価を釣り上げ、より利益を得ているのだとか。生産性が上がっているから正当な対価なのか?とも思ったが、生産性に見合った額ではないということなのかもしれない。(ここは読み取れなかった。) どちらにせよ、医療の単価が上がることで金持ちしか受けられない状態にになるのなら問題だ。
急激に段落を替えて申し訳ないが、一方でこんな記事を見つけた。
AIの発展に対して、「生き残る」という単語を使うことで、世論が過剰に自分の将来を心配している感はあると思う。実際、トラクターとか出てきたときも、農家の仕事って別に無くなったわけじゃないし、そういう意味では「生き残った」わけで。(そして個人的には大成功も大失敗もしないような身の丈に合った生き方は、時代の流れとして支配的なのかなとも思うし、魅力的だとも思う。)
そして「凡人」が淘汰されていくことも恐らくない。社会を構成する人のほとんどが凡人で、それが死滅すると社会として立ち行かないから。この点についても同感で、感覚的に死滅はしないと思う。(勝手に「生き残る」を「職がある」、「死滅」を「失業」に置き換えて話しています。) 自動車工場ではロボットが働くようになったけど、そこで働いていた人たちは多分別の職種につけたんじゃないか。(根拠がなく、あくまで妄想だが。)
こんな風に、AIに食い扶持を取られたとしても、求められるスキルが変化するだけで、その先に職は多分あるだろう。しかも先の論文にあったことだが、そんなことが起き始めるまでにはラグがあるはずだ。(現にChatGPTをビジネスに応用して勝ち組になってそうなところは今のところ聞かない。ほとんどの部分で補完的な役割を担うくらいが今の限界なのでは。)
ただ、死滅はしなくとも、格差そのものは拡大してしまう可能性自体が否定できない。引用してきた記事では「超優秀」と「凡人」と「超落ちこぼれ」の3層に分けていたが、この議論は大雑把で、実際はグラデーションだ。しかしそれが本当に綺麗な3層、ないし2層に分かれてしまう可能性がある。そもそも現段階においても、初期投資を行えるか否かの差が存在する。また、一朝一夕で使いこなせるようになるものでもないということは、論文中でも指摘されていた。つまりお金とスキルを持った労働者はICTを活用して (上述したような単価のつり上げなどで) さらなる利益を生み、その資本でまたICT関連に投資をする……というようなサイクルが存在しうる。
また、論文は医療現場にスコープを絞った話だが、ICTが中産階級の職を奪っている可能性を指摘していた。失業こそしていないが転職(?)や賃金の変化などは観察されている。(Health information technicians, Nurses, and Medical transcriptionistsで、Health information techniciansは賃金と医療従事者に占める割合が上昇、Medical transcriptionistsは下降していた。Nurseはほぼ変化なし。) いわゆる事務職が本当に中産階級なのかは知らないけど、それでも求められるスキルは確実に変化し、賃金の差を生んでいるのは間違いない。逆に教育の拡充はこの格差の拡大を抑える方向に働くともあった。
これらのことを踏まえて、論文中では「お金を持ってるところではITが労働者を食っているのに対して、そうでないところでは補完し合うような関係になる。」としている。
私は、多数派たる凡人がみんな職を失うことは多分ないと思う。経済的にも遊休している資本が存在するのは好ましくないはずだし。ただ、「マルコフニコフ則」が起きる可能性は十分あるというのも気に留めておくべきことだと思う。現在はまだ発現までのラグであるだけの可能性もないとは言えない。(特にLLM界隈は今すごい。) 一度AIやICTに使われる側に完全に回ってしまうと、今の貧困や教育格差を再生産する構造から考えるに、覆すのは難しくなるんじゃないかなあという不安はある。そうで無くとも、スタート時点での資本の有無が今よりもっと大きく響くようになるのではないか。「中産階級」が「凡人」と完全にイコールだったり、包含関係になるとは言わないけれど。
ただ不安症で浅学な私の杞憂なのかもしれない。それでも、ただ「死ぬわけない」とのんびり海路の日和を待っていたところで、AIが勝手に世界を良くしてくれるとはあんまり思えない。また、AIを使う人間がその富を平等に振り分けようとすると信じられるほど、私は性善説を採用していない。
CW(コンクリートウィーク)
無事に (無事に?) 論文10本を読み終えたが、それ以上には何もないGWだった。過去イチゴールデンじゃない。色彩を名付けるなら古びたコンクリート色。
この間に見た面白いものといえば「スタバのノート」ぐらい。LINE の真ん中にあるTikTokもどきみたいなTL。そこにスタバのノートなるものの作り方が流れてきた。無印で買ったノートとテープを駆使してちぎったスタバの紙袋を貼り付け、シンプルな見た目のそれをスタバ模様に変えていく。
要らない。妹と「いらね〜!笑笑」って爆笑した。無印の文房具が悪いわけじゃないけど。服にほとんど気を使わない私は、想像通り文房具の見た目も同じ。ちょっと分厚くてかけるスペースが広いからという理由で、建築系の学生が持ってそうなノートを使っている。ボールペンも発色の良さだけで選んでいる。ノートの表紙なんてどうせ開いたらほとんど見ていないし、デコる必要があるだろうか。
あるとしてなんでスタバなんだろう。そんなにスタバっていうブランドはパワーを持っているんだろうか。私も新作は飲みに行ったりするけど、スタバそのものに対する思い入れというか「スタバ行ってる私!」みたいな感情は全くない。ただ大学に雨でずぶ濡れになりながら、片手にスタバのドリンクを持って教室に来る人もいたり、何かしらのステータス、あるいは特定の集合に帰属している意識が生まれるアイコンなんだろうか。
↑愛用しているノート。使いやすくてオススメ。
コナンの映画も観に行った。黒鉄の魚影。「サブマリン」って見ないでかけますか?私は黒鉄は書けたけど、サブマリンは無理でした。魚影かよ。当たり前だけど、潜水艦じゃないんかい!
本筋に関係ない範囲のネタバレになるが、私的MVPはジンだった。一応ネタバレになるので嫌な人は引き返そう。警告したよ?なぜジンなのかと言えば、彼らが山手線を待っていたシーンがめちゃくちゃ面白かったから。ウオッカとジンが山手線を律儀に待つシーンが一瞬だけあって、そこがシュールでかわいくて腹筋を破壊された。あとはジンがキレて柱を殴るシーンがあるんだけど、そこも面白かった。もうちょっと冷静になった方がいいと思うぞジン。
全く関係ないけど、予定に「黒鉄の魚影」って書き入れたから、カレンダーアプリの通知が「13:00〜 黒鉄の魚影」っていう厨二病みたいな感じになったのも面白かった。
今またタルタリヤが私を支える
辛いよ〜でも頑張るぞ!って話です。「つらい」です。辛いもの食べに行った思い出を書くと思ったら大間違い。私はインドア派だ!GW中に家族以外で話したのは、コンビニの店員さんだけだ!
日記を書く頻度が上がっていることからも分かる通り、今めっちゃ孤独な時期。なんだろう。新しい環境に馴染むのが下手すぎて、春の終わりは大体孤独な気がする。バイトに行く頻度も今週からまた上がるけど、それまで友達と会うことがなくて、人との話し方を忘れた。「こんにちは!」って声をかけたら理系の男子は落とせるんでしたっけ?
それこそスタバに行く友達もおらず、内定決まった友達を尻目にひたすら論文を読んでいた。
あの「フレーズボトル」を作っていて本当に良かったと思う。『この孤独もいつかのイントロになればいい』という言葉に救われて今日も首がつながっている。ユニゾンのNinth Peelも性懲りも無く聴きまくっている。ヤバいまた好きな曲の話になりそうだ。
誤解してほしくないのは、今この孤独について別に悩んではいないということ。私が躍進する時は常に孤独な時だった。今回だって大学院目指して頑張っているから必然的にそうなっているだけ。確か昔の日記にも書いたはず。
辛いっちゃ辛い。明後日ゼミの先生に「論文の読み方が違う!」とか「何も考えてないじゃん!」とか言われたらいよいよ泣くと思う。でもここが瀬戸際だ。
このメンタリティよ。今は、面白くなってきやがったと思えている。就活で (友達にも教えたので友達も含めて) 何度もタルタリヤを支柱にしてメンタルを保った。もうちょっとだけ正念場だから、あと少しよろしく執行官。
ごめんなさいやっぱり好きな曲。この曲はギターが好き。イントロのベースも良い。もちろんドラムも。でもこの曲はギターだと思います。聴いて〜!
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