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【鬱れぽ?】これが私の使命だ|#025

本記事は有料記事だが、良きご縁が広がることを願って、全文公開している。最後まで無料で読めるので気が向けばぜひ。

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「これが私の使命だ」

そういうものがほしい。

でも今日、今日今この瞬間には、

ひとつだけ全力でそう思えることがある。

それがこれだ。

noteの執筆だ。


30歳独身。

無職。

適応障害により9ヶ月務めた天職と思っていた仕事を辞め、

この先の人生にさじを投げようとしているその寸前。


私はにしださんに会って、投げかけたサジをきちんと手に持ち直した。



今日は西田さんに会う日だった。


西田さんはハローワークで、私にキャリアカウンセリングをしてくれる人だ。

静岡市から週に一回富士市のハローワークに通ってきている。

西田さんはおじいちゃんだ。

私にもこんなおじいちゃんほしいと思うような、聞き上手。


昨日までの二日間、私はどうしようもないほどの希死念慮と戦っていた。

家族にも迷惑をかけまいと、とにかく引きこもっていた。


学生時代からあらゆる副業に手を出し、メンタルケアにも手を出し、自己啓発書や心理学の書籍も読み、それでもどうにもならないこの人生。


愛情はあるものの機能不全であるという中途半端な家族のもとに産まれ、活発に明るく子供時代を送りながらも、かたや人の気持ちがわからない、自己中で自分勝手な人間だと度々周囲と揉め、一匹狼で生きてきた。


いつも自分の居場所はクラスにはなく、図書室とか校長室とか、シェアハウスとか喫煙所とか、そういう場所にやすらぎがあった。


一体私は、何のために産まれてきたんだ。


私が人に、人間に産まれた意味はあるんだろうか。



「あるよ、ある。ちゃんとあるさ。」

西田さんはそう言った。

何の迷いもなく。

君は大丈夫だよ。と言わんばかりに。



この二日間の希死念慮のことも、両親に対する不信感も、自分への絶望も、西田さんには包み隠さず話した。


西田さんはプロだ。

ちゃんと、ちゃんと聞いてくれた。


否定もしない。

流しもしない。


「どうしてだろう?そこもうちょっと聞かせて。」

「君は本当にいろんな辛いことの中で生きてきたんだねぇ。」

とひとつひとつ全部。


本当は今日、キャンセルしようかどうしようか迷った。


でも、私にとって今数少ない心を許せる人のひとりだった。


私はラッキーだ。


大阪のハローワークでもキャリアカウンセリングを利用したが、その人とは相性が合わなかった。


西田さんは、好きだ。

ちゃんと聞くだけじゃなくて、全体を俯瞰して、こうじゃないかああじゃないか、こうしてみよう、これでいくのはどう、と次のことにもつなげてくれる。


残念なことに今は、私のエネルギーが今枯渇しているせいで、次のことなんてとても考えられないんだけど。


でも、西田さんと話せる。

それだけで心の底から安堵できた。

西田さんが「きみにはこういうところがあるからこうなんじゃないかな」ということには、ほとんど全部頷けた。

だから自暴自棄になっていた自分に、冷静さを取り戻せた。


私はラッキーだ。


おまけにこのサービス無料。

正確には税金から西田さんにお給料が支払われているから、市民として使えるサービスの有効活用だ。

病院だって3割負担とは言え、お金がかかる。

し、いかにもな雰囲気に、あまり話しやすい環境とは言えない。



「死にたいです」


そう言える相手って、なかなかいない。



だってあなたならどう思うだろうか?


「死にたいんです。」


と目の前の相手が言ってきたら。



「そうかそうか、死にたくなっちゃったか。どうしてそんな風に思い始めたの?いつからだい?なにかきっかけがあったのかな。」


そんな風に言える人ってどれくらいだろう。


「え、そんなこと私に言われても・・・」

とか

「いやいやそんなこと言ったって生きてくしかないじゃん」

とか、

それが普通なんじゃないだろうか。


私は病院でだって、なかなか言えないのだ。

「死にたいんです。もうどうでもいいんです。楽になりたいんです。」

だったらなんで病院に行ってるんだよ自分、って、矛盾に耐えられない。

本当に死にたい人はとっくに死んでいるしね。

私の友人のように。


でも、西田さんには言えた。

「もう終われるもんなら終わりたいです。生まれ変われなかろうが、生まれ変わりが虫だろうが、なんでもいいです。もうめんどくさいです。」


西田さんとの時間は、いつも1時間くらいだ。

いつも次回の予約をして帰る。

こんな鬱々とした相談で、仕事の話なんて全然できてないのに、きてもいいんだろうかという不安をよそに、西田さんは来週も予定を組んでくれた。

「来週はどうする?これる?」

「予定はありません。きてもいいのであればぜひきたいです。」

「もちろんだよきてほしい。」

いつも木曜日の11時が私と西田さんの時間だった。

来週の木曜日は、11月の11日だ。

おまけに、来週もやっぱり11時。

11月11日の、11時。

「ポッキーでも持ってきましょうか笑」

「いやいいよ笑」

そんな冗談を言い合って、西田さんと別れた。


ハローワークを後にして、私はとにかくnoteを綴ろうと思った。


今私にできる、この世界に自分の愛を示す方法は、それしかないと思った。


私が体験したこと、私が感じていること、それらを全部、表現してしまいたい。


私に言葉を紡ぐ能力が、ほんの少しだけ周囲よりも秀でているのなら。


いな、そんなことは関係ないのかもしれない。



ただ自分が、打ちたい。


表現したい。



歌うように、泳ぐように、文字を紡ぐ。


ここは私の世界だ。


文字を打つことは、自分と向き合うこと。

鬱も、自分と向き合うってことなんだと思う。


(うまい、座布団500枚)(のれねぇよ)


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まっすぐすぎる希死念慮たち。私のありのままのnoteを見て、こんな人もいるんだ、自分だけじゃないんだ、って思ってもらえたら儲けもの。得にも損にもならなくても、スパイスにはなるかも。

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