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動画作ったときの原稿:アニメ版チェンソーマン感想(批判)動画【原作ファン視点】+α

アニメ版チェンソーマンについての動画をアップしたのですが、その下書きをnoteでやってたので折角だからちょこっと弄って投稿します。
(そもそも元々寝るときや移動中以外は動画見るより文章読みたい派だしぼく)

※ここでの『批判』は「悪いところを挙げる」意味を指す用法で統一されております。

動画はこれ↓です。編集はあまり上手くない。

――――――――――――

「な~んかいまいちでした」
「面白くなかったね
 画面は結構お金かけてそうだったけど」
(『チェンソーマン』5巻 P103/作・藤本タツキ より)

冒頭あいさつ

はろー、ニッチなおねえさん(31)だよ☆
さっきの引用で出オチじゃねえか! というのはともかく、チャンネルをご覧いただけばわかっていただけるであろう通りの原作ファンであるわたしの視点から、アニメ・チェンソーマンのお話を、批判メインでしていきます。

※チャンネル内チェンソープレイリスト↓

ちなみにあまり売れてないと話題の円盤は勿論買ってません。視聴前は買う気満々だったしスターターロープ買って楽しみにしていたんですけど……。

今はむしろ円盤売れなくて安心しちゃった。
(あれが『チェンソーマン』だと思われるのはイヤでござる)

全部悪かったわけじゃない

全否定じゃんwwwwって言われるのも本意じゃないので、先にわたしが好きだったトコ挙げとく。
・ポチタさんがてちてち歩いててかわいい
・ポチタさんもふもふした動きでかわいい
・日常しっとり描写クオリティ高い
・作画は綺麗
・音楽も単体なら概ねよかった
・OP映像は女優霊のとこでくそわろた
・新人声優起用はよかった

ポチタさんのてちてちは手放し評価しちゃう可愛さだった。

日常風景系は基本クオリティが高くて、まあアニオリ解釈違いかもと思った部分もあったけどそこも作りとしてはよかったので「んー……まあ、アニメではこうなのね」と受け取れた。
あとキャラデザが安定した作画でしたね! 美麗な画風で、ぱっと見で「おっ」と思わせる力が強いです。

他にもいいところあったと思うんだけど、イヤなところが多すぎてあまり印象に残ってないです……。

本題:何がダメって言ってるか

本題の、どこがだめだったかですが……
わたしで言語化出来そうな辺りをお話します。
もっとキッチリ語れるスゴい人もいるけど、ここではあくまでわたしの目線で。

その1:カメラ引きすぎ迫力殺しすぎ

これは原作と比較すると特にめちゃくちゃ思うんですが、原作と比較しなくても思うレベル。特に前半が酷かった。

キャラがバトってヒャッハーしているところって、俯瞰して遠くから見ちゃうと滑稽なんですよ。
なのにこのアニメはバトルで引きに引きまくって状況を俯瞰する。

第1話のゾンビの悪魔との戦いのときなんか顕著ですね。
(原作のように一気に倒すんじゃなくて)一体一体切っていくタルい戦いにされちゃった上にカメラ引いてるからただただ滑稽で、視聴者が吹っ切れたデンジくんに感情移入することもチェンソーマンの迫力に圧倒されることもできなくなっちゃってる。

子供がじたじたしてるみたい。
叫び演技も抑制されすぎてて迫力がない。その癖刺されると長時間絶叫する。この無駄長尺絶叫パートC級スプラッタで見た気がする。

その2:テンポ感が悪くてメリハリがない

端的に言って、クソ邦画……ってなっちゃいますね。
いや邦画に例えるのも邦画に失礼なんですけど、でも邦画って「これ洋画だったら輸出されてこなかったよな……」っていうものも一般人が見れちゃうからさ……。

バシッとキメるべきところでぬるるる……とカットが続いてしまうのが、テンポ感とメリハリを損なっていてつらい。

実写の邦画とかはともかくアニメでこのダラっと感は逆に難しいはずなんです(朝比奈ミクルの冒険がすごいことしてるクソアニメだったのと同じ)。
だけど今回はCGを使ったり枚数に予算かけまくれたりするから、できちゃったんだね……。

その3:姫野関連引っ張りすぎ

何故よかった脇役を無理やりヒロインに仕立てるような真似を!?
EDもなんかお当番多くない!?

いやぼくも姫野好きだよ。思いつきが源泉でも姫野好きじゃなかったらこんな動画作んねえしコスプレもしねえからな!?

でも、物語の比重が狂っちまってるので……。

デンジ君のイカレっぷりが爆発する永久機関が完成しちまったシーンのインパクトが薄いのに姫野のゲロチューで引きにした上にねっとり微エロシーンを繰り返しやるのどうして……。

煙草あげない回想シーンとか、そういう単体として見たらよかったシーンもあるんですけどね。
ただそうやって姫野(とアキ君)をヘンにごり押ししてデンジ君やチェンソーマンの持つ爽快感を損なったらサイテーじゃん。

ぼく二次創作のオタクなのにアキ姫や姫野関連の二次創作に評価貰っても苦い顔する体になっちゃったYO……かなC……。

その4:謎改変

読解力\(^o^)/オワタ

改変しても筋が通ってればいいんですけど、破綻がすごい。
原作に通っている理屈を理解した上で意図を持って改変してたらこうはならんやろってものが多数ある。

こんな感じで。
一個一個お話しますと……

・弾切れしてないのに見逃すコベニちゃん(9話)
弾切れしてないのに沢渡ちゃんとヤクザの孫ちゃんのがら空きの背中に一発も撃たない。さっきまでノールック射撃当ててたのに。
そして車に乗るの待ってから撃ってあげてる(つまりはさっきまで弾切れしてなかった)。

Why?
直前の動きはよかったのに急に殺意が下がるのなんなん……。
映画でもたまにある展開ではあるけどさ……。
原作という筋が通ったシナリオがあるのにわざわざそれを変えてまでクソシーンあるあるやるのどうして……

あとついでに細かいとこつつくと、
原作コベちゃんは『撃とうとして弾が出ない』ことで弾切れに気づくんですけど、アニメコベちゃんは弾切れ起こしたあと引き金引いてないんですよね。
チェンソーマンの世界って(原作と設定いっしょなら)銃規制すごいからコベちゃんも細かい銃の知識なんかないはずなんだけど、どうやって弾切れ察したの。

・謎ボクササイズ岸辺隊長&ターン制バトルデンジ君(10話)
ドアを貫いて飛び出る血の槍を最小限の動きで避ける岸辺隊長(原作通り)
天井から降ってくる血の槍を大回りして避けたあとで時間を掛けてパキパキ折る岸辺隊長(???)
隊長が血の槍を片付け終わるのを待ってから降りてきて襲い掛かるデンジ君(????)

えっ、天井から降ってくる血の槍も最小限の動きでへし折る岸辺隊長は?
えっ、隊長が血の槍に対処している隙を狙って降りてきて襲い掛かるデンジ君は?

・ネタバレ:コベニは仕事辞めてない(11話、12話)
アキ君の「殺すな」のところで、読者が『コベニちゃん仕事辞めてなかったの!?』となるサプライズがあったんだ。
あったんだ、原作には。あった(過去形)んだ。

ついでに言うとこのシーン、アニメだとコベニちゃんの包丁の刃が沢渡ちゃんの方じゃなくてほぼ真下向いてるんですのよね……。
原作でも決めゴマだけ見ると刃を真下に向けてるように見えるんですけど、他のコマも見ると、斜め下向きではあるものの刃は沢渡ちゃんの方向いてるんですYO……。
刃を全く向けてないの流石におかしいんだよなぁ。
(わたしは基本殺意が高いので、殺意低く改変されているところはすごく気になる)

・外部組織の人に居丈高な岸辺隊長(11話)
酒で無理やり頭のネジを緩めなきゃやってられないくらいまともな岸辺隊長が外部組織の人に「お前達」って言ってるの意味わっかんね……。

・電車内で誰も庇ってないのに腕斬られるデンジ君(12話)
原作のデンジ君は、気絶していた女の人が起き上がってしまった(=サムライソードの居合いの攻撃範囲に体をさらしてしまった)ことに対して「オイオイオイオイ!!」って焦って、女の人を庇って腕を斬られたんですよ。
アニメのデンジ君、なんか知らんけど居合いそのものに対して「オイオイオイオイ!!」って急に焦り出して実力不足で腕斬られてるし、女の人はなんか特に関係なく逃げた。

えぇっと……。ん?
無意味に主人公デバフして、意味のあったモブからも意味を奪った……? 正気……?

・その他
他の方の指摘を見て「あ、そこの違和感それか!」ってなったのもの多いです。
ほっぺに飛んでない血をぬぐうポーズで通信する沢渡ちゃんとか、前に効果覿面だった居合を受け止められたわけじゃないのに「何ィ!?」って驚いてる(何に驚いたの?)サムライソードとかも話題になりましたね……。
(注目していた方が指摘していたので見た)

謎改変は後半への指摘が多いですね。前半ももっとあったかもだけど二度と見返したくないから許してね。

その5:ギャグシーンの死

ギャグシーンをそのままシリアスなトーンでやられると困る(困る)。ギャグが死んでる……。

一番ヤバかったのはデンジ君の頭が壊れてパワ子ちゃんが直れ直れって叩くシーン。
あれは軽いトーンのシーンだからこそ成立していたシーンなので……シリアスにやられると…………こまる(困惑)。
どうしてもギャグシーンをコミック調にやりたくないならシーンごとオミットするかもっと大幅改変しなきゃだめだったと思う。

その6:ボソボソ男性陣

きたわね、アニメだめだった人ほぼ満場一致で挙げるやつ。
そして「聞き取れねえ」って言ってると過激めな擁護派が「お前の環境が悪い」だの「音量上げろ」だの「この程度で音量差とかw映画見ねえの?w」だの言ってくるやつ……。

そりゃまあよくあるホラー邦画だってボソボソ→ズギャアアーン! してくる(例:リング冒頭)し、わっちだってそういうの見ては来てるよ。
でもそれは「あー……映画館で有効だった演出が……家庭で見るとこういう…………あーあ……」って言いながらリモコン片手に我慢して見ていただけで、皆がそれを良いと思って見ているわけじゃないのよ。

あと、聞き取れたとしてもキャラが独り言言ってるみたいになってることに違いはないので。

少なくとも孫(サムライソード)がラーメン屋でケチつけて来るシーンはあれじゃだめでしょう。
元はわざわざ絡んできた孫ちゃんにデンジ君が言い返す(パワちゃんも続く)シーンなのに、アニメの声量じゃ一人で小さく悪態ついてる孫ちゃんの言葉にわざわざ耳をそばだてて絡んでくデンジ君になっちゃってんじゃん!
(パワーちゃんはそれでも絡みそうだけど)

逆に岸辺隊長のボソボソとかはそういうキャラだって言い訳できるかな。
でも感じ悪いよね。
相手に伝える発声じゃなくて独り言みたいな怠そうな発声でボソボソ喋ってくる上長って、すごく感じ悪いよね。アニメの隊長はすごく感じ悪い人だなって思う。
岸辺隊長に抱かれたいあまり一瞬夢小説書きに返り咲いたいえなさんだけどこの隊長には抱かれたくない。

その7:未来最高と叫びなさい

その4~6のどっかで語ってもよかったんですけど、あまりにひどかったので単独でお話しさせて。

お前が叫んでないのに「お前も未来最高と叫びなさい」はおかしいだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ていうか内輪でウケて調子に乗ってるけど別に面白くも何ともねえ男子大学生みてえなテンションで未来最高って言うのやめろや。
未来最高ってのはこう、

(台詞:『チェンソーマン』4巻 P127~P129/作・藤本タツキ より)

って感じだろオ!

そのほか

・劇伴が印象に残らなかったし挿入歌の使い方がカスだった
・Easy Revengeに意訳の字幕つけず、その分のフォローを入れることもなかった
・第1話のデンジ君が「俺達の」って言ってくれなかった
(※流石に全く意図がないとは思いたくなくて謎改変の段に入れられなかった)

全体通してなんというか、神が宿った細部をわざわざそぎ落とす(そして削ぎ落としただけに終わってる)ようなトコが多かったですね……。

あと作画綺麗だったとはいうものの、こう……自分(のチーム)がやれる芸を見てほしいだけの犬だなって思う部分もあって……作品のためになってない技術って悲しいなって思ったりもした。

正直細かい作画ミスとかはこの際いいや。そういうのは元々大切な場面でもなければスルーする方だし。

まとめ

そんな感じで、具体的に嫌だったとこあげた。
語気が強くなっちゃったとこもあるけど、内容的には素直な感想です。

良い部分もあったんだけどね。
でも、枚数も用意して作画をリッチにして、なおかつ原作を概ねなぞってはいるせいで、テンポや演出等々で受けた印象まで「チェンソーマンって原作もこんなもんなんでしょ」って思われちゃってそうなとこがイヤすぎんだ。

まあ、だからこうして動画を出したわけです。

あと、黙ってたり「がっかりしちゃった~」って気持ちだけの感想書くだけにしてたりしたらさ、過激めな擁護派さんに『単なる解釈違い』とか『頭マキマ』とか言われっぱなしだし。

……それも円盤売上が話題に上がって多少は弱まったけどさ。

読めるインタビュー読んだだけでも監督のこだわりがだいぶ変な感じに出ていたので、2期や劇場版やるなら別の人に監督してほしいですね。
こんなことになるくらいならもう2期も劇場版もやってほしくないけど。

最後にチョット注意

今回の件でTwitterを見ていたりリプ貰ったり、これまで上げた動画のコメント見てたりして「あ、これ言っといた方がいいな」と思った注意をします。

「動画(や概要欄)の内容を踏まえていないことを動画のコメント欄に書かないでください」
あくまで『動画のコメント欄』であって、お前の日記ではないので。

例:「原作通りだったのに何が不満なの?」
→原作通りじゃなかった点を動画で指摘済みなんだよなあ……
「でもだからって中傷するのはどうかしてる」
→それは中傷している人に言いに行こうね

ということで、アニメ版チェンソーマンのお話でした。
じゃあの!

キャプション下書き

※コンプ掛けすぎたので音量注意。

このチャンネルでは「3話が谷だったね。4話はまだよかったね。これからよくなるといいね」というお話をしてそのままだったので、一度ちゃんとお話ししておこうと思いました。

あと、いっちょ噛みの人らが中立気取れると踏んで「期待しすぎたのかな笑」って異口同音に言ってたのもずっとカチンときていた。
アニメ版チェンソーマンのダメだったものを視聴者である俺たちのせいにすんなや。
「もっと酷いアニメもあるし笑」じゃねえわわたしだってネウロが深夜アニメになって酷いし雑なディスペクトに塗れたインタビュー読まされる悪夢見たことあんだわネウロはアニメ化されてないけど。

滑舌くそなのはあの……すまん。要因は色々あるが、すまん。


蛇足補足(動画ではボツにした下り)

はい、蛇足です。

ホントはこんなメンドい話はしたくないんだけど。
的外れなコメント読まされるのイヤだから先に書いておきます。こんなこと載せてても書かれるかもだけど。

ファンでも批判はするのです

わたしは原作『チェンソーマン』のファンです。
原作読み返したらやっぱおもしれーってなるし、ポチタさんのぬいぐるみを抱きしめて寝るし、早川家愛おしいなあと思う。
藤本タツキのファンでもある。あの作風は面白い。絵も好きだ。

それでもつまらなかったコンテンツはつまんねーって素直に言うよ。
タツキがつまんねー漫画描いたらそれもつまんねーって言う。
(普段からやかましくツイートするわたしが感想言う気にすらならないことになったら言わんかもだけど)

「批判意見が目立つと売れなくなるかも」とか「面白い面白いって持ち上げた方が『チェンソーマン』が盛り上がる」とか思う子も世の中にはいるみたいだけど、わたしはそういう忖度好きじゃない。

つーかそこで忖度したらまるで関係者ぶってるみたいじゃん。イヤすぎる。
わたしは読者で視聴者で、門外漢で、他人だ。今書いてるのは本人宛のファンレターですらないんだよ。

(補足蛇足の文章はここで途切れている)
―――――――

蛇足補足の補足

なんかね、波に乗ったり無理したりして庇うのも叩くのも違うじゃんね。っていうのと、
わたしたち別に作者とは対等だよって話もしたかったんだよね。
でもそっち主題になっちゃいそうだったから動画に入れるのやめたのですよ。

闇深いよね、「作ってくださるだけ感謝しなきゃ」って。女オタが言ってるのたまに見るけどさ。
そんなことないのに。
好きでも『耐える』必要まではないはずなのに。
代わりはいるぞって使い捨てにするのとは別でね。

あとSNS時代がすぎて『お友達』に水ささないために一生懸命自分のこと厄介オタク扱いして黙ろうとしている人を見るのもつらかったな。

アニメもそうだけど場外に対しても思うこといっぱいあるアニメ化だった。アニメ版チェンソーマン。


追:ちなみにぼくはアニオリという文化やアニメ化の際の改変というものそのものはわりと好きな方です。
そりゃ原作に忠実なのを見たい気持ちもめちゃくちゃあるけど、別腹で。

この記事を見ていただければわかる。

これはアニメから入ったパターンだったけど、記事はターゲット層変更のための改変も時間の制約のための改変も製作者たちの個性による改変もしゃぶり尽くす勢いで書いたので、ハンタがわかる方はこちらもぜひ(ちゃっかり)。


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