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エンタメ界の変遷を肌で知る重鎮に聞く|メディアとコンテンツと芸能の近未来

レジェンド級の芸人たちと歩んだ1980年代。デジタルコンテンツ事業に関わった1990~2000年代。エンターテインメントの変遷を間近で見てきた日本音楽事業者協会専務理事・中井秀範さんにメディアとコンテンツと芸能の今後を聞いた!

日々、変化と進化を遂げるメディアとコンテンツの関係を中井さんはどのように考えていますか?

我々エンタメの世界に身を置く者はコンテンツを届けるのが生業ですが、メディアがないと届かないんですね。コンテンツを飲み物、メディアをペットボトルなどの容れ物にたとえるとわかりやすいと思います。良いコンテンツを作っても運んでくれるメディアがないと触れることさえできないわけです。そして、エンターテインメントの歴史を振り返ってみると、メディアの変遷に応じてコンテンツも変化している。今後はさらにネットメディアが強くなるのは明らかで、そこに対応したコンテンツづくりが求められていくことでしょう。

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では今後、エンターテインメントを取り巻く状況はどのように変わっていくと見ていますか?

このところ、作り手の長年の経験や勘で作っていたコンテンツが受け入れられなくなってきています。もちろん、根本に「こういうものを届けたい」という作り手の熱い思いがなければコンテンツとしては成立しませんし、データやマーケティング先行で作った「平均値」のコンテンツには魅力なんてないんですが、それでも届かなければ意味がない。そう考えると今後はどの層に響くのかといったデータを活用したうえで、コンテンツの発信の仕方を探っていくことになるでしょうね。

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タレントのマネージメントには今後はどのような変革が起こっていくと考えていますか?

マネジャーというのはゼネラリストで何でも知っている必要があるんですが、これだけ情報が細分化すると1人でこなすのが難しくなってくる。なので、事務所の役割も変化し、広報や経理も含めた専門分野に強いフリーランスのスペシャリストを集めて「チーム●●」を運営、というスタイルに変わっていくのではと見ています。そういった専門家とマネージメントサイドをつなぐ「エージェント」の役割をする会社や人材の需要が高まっていくでしょう。


■PROFILE■
一般社団法人日本音楽事業者協会 専務理事
中井 秀範(なかい ひでのり)

1958年、富山生まれ。1981年、吉本興業株式会社に入社し、明石家さんま、ダウンタウンなどのマネジャーを歴任。1990年代半ばにはデジタルコンテンツ事業を手がける。2002年には株式会社ファンダンゴ代表取締役に就任。現在は一般社団法人日本音楽事業者協会専務理事。


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<発行日:2019/07/29>
*本記事は、FIREBUGが発行するメールメディア「JEN」で配信された記事を転載したものです。

Writer:平田真人
Photographer:厚地健太郎

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