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大規模コンサートの仕掛人が語る | コンサートにおけるクリエイティブ制作の重要性

3月22日にオープンした「JENオンラインコミュニティ」。
エンタメ業界をはじめ、さまざまな業界・業種で活躍するキーパーソンが集うこの場でボードメンバーに登場いただく連続インタビュー企画。
今回は、インターグルーヴプロダクションズの大田高彰さんに、コンサートビジネスの展望、コンサートにおけるクリエイティブ制作の重要性について伺います。

──まずは、大田さんが運営するインターグルーヴプロダクションズの事業内容や強みについて教えてください。

2014年にコンサート企画制作会社「インターグルーヴプロダクションズ」を立ち上げ、コンサートプロデュースをメインに事業展開をしています。自分自身はもともと洋楽が好きで、日本最大規模のフェス「サマーソニック」を主催するクリエイティブマンプロダクションに入社し、海外アーティストを日本に招聘しコンサートを行う事業や、音楽フェスティバルにまつわる様々な経験を積ませて頂きました。同時に、当時盛んに行われていたCOOL JAPAN政策も含めた日本アーティストの海外展開にも従事し、国内アーティストのアジア、欧米ツアー を多数経験させて頂きました。
独立後は業界の垣根なく、様々なアーティストの国内、海外におけるコンサートのプロデュース、そして数多くの音楽フェスティバルの事務局立ち上げ、出演ラインナップの総括から現場進行までの企画運営制作の全般をプロデュースしています。通常ですと、コンサート制作会社、フェスが強いイベント運営会社、海外展開が強い会社、演出のクリエイティブを作る会社などがいくつかの会社が組んで国内コンサート、海外コンサートやフェスなどを作っていくのですが、弊社はそれをワンストップで実現させることが強みだと思っています。


──コンサートプロデュースを軸にしながら、近年ではコンサートの演出、グッズやジャケットのデザイン、MVなどの映像製作も手がけられています。

前述したように、自分は業界の中でも、特に洋楽アーティストのコンサートの現場に身を置くことが多かったので、世界基準で行われている最新のクリエイティブの作り方にふれる機会があり、将来的にはこれを日本国内のアーティストのコンサートに活用しようと思っていました。自分の中で強くその意識を持つようになったのは、独立直後から関わらせて頂いているULTRA JAPANという国内最大のクラブミュージックフェスのステージディレクターとして、世界的なアーティストの様々なクリエイティブに触れてきた経緯もあります。

独立してから関わった様々なアーティストとの仕事を通してそういったことを具現化しつつ、引き続き海外のアーティストやフェスの仕事も続けているので、常に新しい手法を取り入れて面白いものを作るために日々模索をしていきながらコンサートプロデュースに従事しています。縁があって近年では国内、海外のミュージカルの演出、また国内のコンテンツを海外で展開するような機会も頂き、日本のコンサートにおけるクリエイティブのアイデンティティの確立を追求しています。
現場的な話をすると、自分はそもそも演出をメインに仕事をしているわけではなくて、コンサートの企画立案、進行、予算管理全体を見ているので、まだ小規模で色々なクリエイティブを取り入れる余裕のないアーティストのコンサートにおいては、弊社がその規模で実現しうるクリエイティブを提案、実施することも近年とても多くなってきています。そういったこともワンストップでできるので包括的にご相談いただく機会が増えています。

名称未設定のデザイン (2)

この10年間で、コンサート現場の技術は飛躍的に向上しており、最近のコンサートでは、基本的な照明(ライティング)に加え、ステージの後ろに大きなLEDスクリーンを背負い、そこに様々な映像コンテンツを流して作ることが主流になってきました。そういうものを使って表現するためには、アーティストと、今回のコンサートで表現したいこと、そして、曲ごとに魅せたい、聴かせたい方向性を話し合いながら全体像を作ることになります。そうなると、そもそもアーティストとして何を表現したいのかという本質的な会話になることが多くなってきました。
そもそもアーティストにまつわるクリエイティブは、アーティスト写真、CDジャケット、MV、コンサート、グッズなど各担当がバラバラでデザイナーを立てることが通例です。近年、アーティストのブランディング的にも、CDが売れにくくなった音楽ビジネスにおいても、コンサートで何をするかということはとても重要度を増しています。その優先順位から、コンサートで用いるクリエイティブが、グッズやその後の映像コンテンツに派生することが近年少しずつ増えてきました。そういった経緯から、コンサートの関係から派生して、グッズやMVなどのクリエイティブのお手伝いをする機会も頂くようになってきました。
関わり方は様々ですが、弊社としてはSEKAI NO OWARI、Mrs. GREEN APPLE 、Perfume、Vaundyなど約40アーティストのコンサートなどをお手伝いしております。


──FIREBUGとインターグルーヴは2019年からライブの共同制作を開始し、アーティストの活動をより包括的にサポートできる体制を強化していますね。

昨年9月に開催された、いきものがかりのデジタルフェスもテレビまわりに強いFIREBUGさんとだからこそ実現した、テレビ局と組んでの配信ライブとなりました。配信ライブをつくるのは、演出面、コスト面も含めて大変なことが多いです。通常のコンサートは20〜30公演のツアーをパッケージ化して大きな収益を上げるというシステムですが、配信ライブはその労力とコストを一発に懸けると。FIREBUGさんとは、配信ライブをやる場所やシステムを簡略化して、これから売り出していくアーティストも気軽に配信ライブができるようなプラットフォームをつくっていきたいと考えその準備をしています。アイデアや資金を集約したアーティストプロデュースのチームをつくって、コンテンツを育てていくことにもトライしたいですね

──最後に、JENオンラインコミュニティに期待することをお聞かせください。

いまだに業界間の隔たりや慣習によって、柔軟な事業横断ができないことが多々あります。海外ではアディダス×リアーナのように、アパレルブランド×アーティストのコラボは珍しくないですし、ジャスティン・ビーバーのように自らブランドを立ち上げるアーティストも増えている。音楽以外のアウトプットの一つとして面白いですし、そうあるべきだと思っています。日本のアーティストは、曲をつくって、リリースして、プロモーションのためにテレビやラジオに出て、コンサートをするというように、活動範囲が意外と限られていて、ファッションとの接点があまりなかった。最近は風向きが変わってきて、King Gnuのようにファッション性が高く、さまざまなアウトプットを志向するアーティストが新たな扉を開けてくれています。アーティストのセンスや創造力を生かして、ファッションを主体にしたフェスなんかもやってみたいですね。アーティスト×ファッション、テレビ×コンサートのように、それぞれ異なるフィールドを掛け合わせることで、新たなエンタメの可能性が広がると思います

■PROFILE■
大田高彰(おおた たかあき)
1982年4月21日生まれ。広島市出身。
海外アーティストの来日コンサート、20万人規模の音楽フェスティバルの企画制作を行う会社にてプロダクションマネージャーとして実績を積み、これまでLady Gaga/Taylor Swiftなど洋楽を中心としたアーティストの来日公演や、Summer Sonicなどの音楽フェスティバルに従事し、同時に日本国内のアーティストの海外コンサートも手がける。
2014年に新たな形で会社を新設し、ULTRA JAPANなどの音楽フェスティバルのステージディレクションに携わりながら、主に国内のアーティストのコンサート企画制作に力を入れている。近年はSEKAI NO OWARI / PERFUME / 星野源 / ONE OK ROCK / Mrs. GREEN APPLE など約40アーティストの国内、海外でのコンサートを手がける会社の代表を務める。
https://intergroove.jp/


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