人気アイドル・タレントから指名殺到!ヘアメイクアップーティスト・夢月が語る「#夢月メイク」確立までのSNS戦略
SNSをきっかけに、ブランドを立ち上げたり商品開発をしたりと、自身の夢を叶える人や、理想としていたキャリアプランを歩む人が増えています。ヘアメイクアップアーティストの夢月さんも、その1人。SNSでの情報発信をきっかけに、フォロワーを増やし、念願のヘアメイクの仕事を獲得。さらに発信を続けることで「#夢月メイク」というブランドを確立し、今では人気アイドルやタレントから多くの支持を得る存在になりました。今回は夢月さんに、現在のポジションに至るまでのSNS戦略をお伺いしました。
SNSを始めたきっかけは「できるだけ早く夢を叶える」ため
ーー夢月さんといえば、ナチュラルで繊細でちょっぴりドーリーなメイク“夢月メイク”の生みの親として知られています。現在に至るまでの歩みを改めて教えてください。
今でこそ、“夢月メイク”というとそのようなイメージを持っていただけているのですが、このワードの出発点は、おすすめコスメを投稿する時に付けていたハッシュタグ「#夢月メイク」でした。そこから、私が普段女の子にしているメイクを投稿する際にも使うようになって、徐々に私が施すメイクの通称として認識していただけるようになりました。
ーーSNSを始められた当初はいわゆる「コスメを紹介するアカウント」として始めたということでしょうか?
そうですね。SNSを始めたのは美容学生だった5年近く前なのですが、最初はお気に入りのコスメ紹介が中心でした。当時はまだヘアメイクアップアーティスト(以下 ヘアメイク)ではなかったのですが、雑誌などで活躍するヘアメイクになる為にどうすればいいか考え、その手段としてまずは「SNSで有名になろう」と思ったんです。
ーーヘアメイクアップアーティストとして活躍するために、多くの人は専門学校卒業後、アシスタントとして現場で経験を積むのが一般的かと思うのですが、まず「SNSで有名になる」という手段を選んだのはなぜでしょうか?
私は一度服飾学校に通ってから美容学校に入り直したので、周りに遅れを取っている状態でした。大きく巻き返し、最短距離で活躍できる方法は何か?と考えたとき、SNSという選択肢が思い浮かんだんです。今の時代に合っているし、文章や写真にこだわりたい自分の性格にもぴったりだなと。始めた当初から現在に至るまで、自分の顔にメイクをし、写真撮影をして投稿することを週2〜3回の頻度で続けています。
ーーSNSのフォロワー数は、どのくらいのペースで伸びていきましたか?
SNSを始めてから1年で約2万人の方にフォローしていただいて、運用開始して半年くらい経ったあたりからはメイク動画の企画をしたり、ヘアメイクとしてのお仕事をいただけるようになりました。その後、並行してヘアメイクアシスタントについたりサロンで働いたりしながら2年ほど下積みを重ね、今の活動に至ります。
バズ構文は使わない!SNS発信の際に気をつけていること
ーー1年間で2万フォロワーを獲得するために、SNSでの発信で気をつけていたことがあれば教えてください。
テーマに関しては、毎回その時に流行っているものを選ぶようにしていました。例えば、グラデーションリップが流行っている時期は、それに関連するような投稿内容を心がけていたり、「プチプラコスメで再現するには」など、多くの人がマネしやすいような方向性も意識していました。
ーー有益な情報に対してイイねをする一方で、フォローするまでに至らないユーザーも多いです。夢月さんがフォローされるために意識されていることはありますか?
フォローされない理由を考えてみると、写真かテキストのどちらかに惹きがないといったケースが多い印象です。どちらも有益であれば、別の投稿も読んでみたいとフォローしてもらえると思います。それに気づいてからは、産毛1本もないようにキレイに撮影・レタッチをし、テキストはびっしり書くことよりも最初の10文字で大体の情報が理解できるように、簡潔にまとめることを意識しています。
ーー有益な投稿というと、文字量が多いイメージがあったので、今のお話は意外でした。
SNSを活用している方の多くは、今はもうTikTokやYouTubeといった動画コンテンツに慣れてしまって、長い文章は読まれないんですよね。ただ、私のこだわりとして、いわゆる”バズ構文”と言われるものは、なるべく使わないようにしています。どうしても誇大広告になってしまいますし、コスメや美容との相性は良くないからです。”バズ構文”はその名の通り、インパクトもあって投稿としては伸びやすい。けれど、実際の商品とかけ離れた表現は逆に視聴者を混乱させてしまいます。ちゃんとコスメ選びの参考になるように、そういった表現に頼らず丁寧に分かりやすくというところを大切にしていますね。
“夢月メイク”のブランド確立で、指名が集まるヘアメイクアップアーティストに
ーー夢月さんといえば、いまやアイドルやタレントから指名されるヘアメイクアップアーティストとして注目を集めていますが、指名を集めるようになったきっかけはなんだったのでしょうか?
もともと動画メディアで働いていた頃に、自分で企画・キャスティング・ヘアメイク・撮影を行なっていました。その頃、モデル選びで魅力的な女の子を探している時、ミスiDの子達が目に入って。彼女達が講談社のミスiDプロデューサーの小林司さんに「SNSを活用してる面白いヘアメイクさんがいる」と伝えてくれたことがきっかけで小林さんと出会い、ミスiD関連の仕事を頂けるようになりました。そこから、他の大きな仕事も続々と入り始めて。当時は私は下積み時代でしたし、ミスiDの女の子達は、私の人生を変えてくれた大切な存在ですね。
そんなご縁もあり、「ミスiDの女の子達に1番近い存在として、審査員をしないか?」と誘っていただいて。ジャッジするのではなく、一緒に成長していける運命の女の子を探すような感覚で審査員を務めさせていただいて、今年で3年目になります。
ーー最初はコスメを紹介する際のハッシュタグだった”夢月メイク”がナチュラルで繊細でちょっぴりドーリーなメイクとして認識されるようになったのは、いつ頃からでしょうか?
アイドルの方のメイクをするようになってからですかね。私のメイクの世界観や理念とアイドルの方との相性が良いこともあって、アイドルの方が「夢月さんにしてもらえるメイクが好き」とSNSで言ってくださるんです。ファンの方にも喜んでもらえて。そこからどんどん拡散されて、認識していただけるようになったかなと思いますね。
事務所に所属し、さらにチャンスの幅を広げる
ーー個人で活動されてきた夢月さんですが、10月付けでThree PEACEへ所属することを発表しました。なぜ事務所に所属しようと思ったのでしょう?
個人活動にはメリットもあるのですが、今後ヘアメイクのお仕事をより幅広く、長く続けていくために、今の自分には事務所という後ろ盾が必要なのではと考えるようになったんです。そのタイミングで「もしも事務所に所属することになったらThree PEACEが良いな」と思っていたのを思い出し、ホームページを見てみると、ちょうどヘアメイクアップアーティストを募集していたんです。そこからは約半年かけて話し合い、個人として得たお仕事を続けながらも所属するという現在の形を取らせていただくことになりました。
ーー事務所に所属し、感じているメリットはありますか?
自分のスタイルを貫きつつ、チャンスの幅を広げることができそうだと感じています。具体的に言うと、SNSの発信も今まで以上に力を入れることができて、業界からもプロフェッショナルなヘアメイクとしての認識もしてもらえる、とてもありがたい環境です。憧れの雑誌や企画に参加させていただく機会も増えました。
また、業界の先輩方から率直なフィードバッグをいただける環境は、新鮮で気付きも多く、確実に自身の成長に繋がっているなと思いますね。こうして私の未来を見据えて温かく見守り支えてくれる方がいるという安心感があり、のびのびと活動させていただいてます。
ーー最後に、夢月さんが今後やりたいことを教えてください。
最終的な目標は、誰が聞いても分かるような“夢月メイク”というジャンルを確立することです。近いところの目標ですと、「アイドルメイク解体新書」のような、アイドルのメイクを徹底解説する本を出版できたらいいなと思っています。また、情勢が落ち着いたら全国にメイクレッスンをしに回ったりもしたいですね。
本記事のTIPS
・SNSは時間がなくても、1人だけでもできる夢を叶える手段
・テキストは言いたいことを10文字以内にまとめる。写真はキレイであることにこだわる
・事務所に所属することで自分のスタイルを貫きつつチャンスが広がる
■PROFILE■
夢月(むつき)
Three Peace所属。ナチュラルなのに作り込まれている、繊細でちょっぴりドーリーなメイクを得意とする。SNS『#夢月メイク』 で紹介されたアイテムは店頭で売り切れることが多々あり、10代〜20代の若者から支持が厚い次世代ヘアメイクアーティストである。SNSの総フォロワー数は約17万超。
SNSアカウント:Twitter/TikTok
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Writer:於ありさ
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