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【人材コンサルタント向け ITエンジニア採用ノウハウ】クロージング編

社会のDX化が急激に加速し、IT企業以外でもITエンジニアの需要が高まっています。
この現象により、ITエンジニア採用の競争も激しくなっておりますが、肝心なエンジニア不足はまだまだ解消されません。
よって、多くの企業で優秀なエンジニアの取り合いになり、選考後の『クロージング』で悩んでいる企業も少なくありません。

クロージング』とは、英語で直訳すると『閉める』『締めくくる』という意味になり、営業の場であれば、契約成立の最終段階で『契約締結まで持っていくこと』を意味します。
また、今回のエンジニア採用の場面であれば、説得のニュアンスに近いでしょう。

そもそもどうしてクロージングを行わないといけないのでしょうか?
上記で記載したようにエンジニアの採用市場が激しくなっていることに加え、下記の点も挙げられます。

・自社を選んでくれるとは限らない(他社も受けているケースが多い)
・希望給与とのギャップを埋めるため
・入社後のミスマッチを減らすため
・懸念点を解消するため

では実際にどのような方法でクロージングを行うのか、私達人材紹介エージェントとして、過去の様々な事例を混ぜながらお話したいと思います。


クロージングの方法

クロージングを行うには、様々な手法があります。

■エージェントに任せる
エージェント経由であれば、最終面接前後で候補者の希望や懸念点など『本音』を聞き、企業と候補者の間に立って、仲介してくれます。

■オファー面談を実施
最終面接後、オファー面接を実施する企業が昨今増えてきたと思います。
その企業のCTOや人事担当者がその企業の実態や今後の方向性、制度の話を直接話すことで、より伝わりやすいというメリットもあると思います。
ただ、候補者の懸念点によって、オファー面談担当者や話す内容が変わる場合もあります。

クロージングでポイントになるところ

候補者の希望と企業側の提示オファーが一致しないケースが多いため、企業としては内定通知書を出して回答を待つのではなく、クロージングがより重要になってきます。
候補者が結論を出す前に、候補者の懸念を確認し、その懸念を払拭させることや企業アピールをすることで、自社を選んでもらう可能性を少しでも上げたいですよね。
クロージングを行う前に『気を付けるべきポイント』と『企業側でできること』を記載したいと思います。

【気を付けるべきポイント&企業側ができること】

■他社状況
(どういう会社なのか、いつ受けてどういうフェーズなのか、優先順位、カウンターオファーの可能性)
⇒一緒に働きたい気持ちを伝える

■給与
(現職の年収(月給などの内訳)、希望年収と最低希望年収、他社の年収、残業代)
⇒なぜこの評価/提示給与になっているのかを説明&昇給制度の説明 orサインボーナスやストックオプションをつける

■福利厚生
(リモートワーク、残業、フレックスタイム、休暇に対して強いこだわりがあるかどうか)
⇒自社の制度の説明や今後の可能性の話をする

■業務内容
(企業側が面接では候補者の経歴ばかり聞いて『期待する業務』の話をしてないケースもある)
⇒期待する役割や業務の話をして、入社後のミスマッチをなくす

■家族の反対
(誰が、何を反対しているのか、誰の意見が強いのか)
⇒できる限りの懸念を払拭すること

ポイントのまとめ

候補者の不安や懸念の内容により、クロージング方法は様々ですが、
私達人材紹介エージェントが色んな企業と一緒にクロージングを行ってきた中で、大事なポイントを3点ご紹介したいと思います。

①会社から気持ちを伝える
候補者の『評価ポイント』や『期待すること』など、直接言葉で伝えることで勘違いが防げたり、心を動かされる場合もあると思います。
内定通知書やメールの文章だけでは伝わらない場合は、一度直接話してみることをお勧めします。

②この人と働きたいという気持ちにさせる
候補者が転職先を決める時、給与や条件だけでなく、『印象』が大きく左右することもあるかもしれません。
オファー面談でCTOや一緒に働く同僚との会話の中で、『今後の方向性』や『キャリア』の話、また、仕事の話だけでなく、『趣味』の話をすることで共通点が見つかるかもしれません。
チームとして働く以上、仕事の内容だけでなく、誰と一緒に働くのか、という基準を候補者は持っているので、面接やオファー面談でこのような話ができればいいですね。

③給与以外のメリット
最終決断時は給与にとらわれがちですが、意外なものが候補者にとって魅力になることもあります。
制度以外の会社支給PCのスペックや引越し代サポートなど、その候補者にとってメリットになりうるものを探って、アピールしていきましょう。

エージェントの役割

ここまで自社でクロージングをする際の注意点やポイントを書いてきましたが、
人材紹介エージェントを利用する、という方法ももちろんあります。
メリットとしては、下記のような点が挙げられますので、採用にお困りの際は検討してみることをお勧めします。

・候補者の本音を探ってくれる、気軽に候補者の相談にのってくれる
・自社の代わりに企業の魅力を伝えてくれる
・採用工程の手間が減らせる
・第3者目線でクロージングしてくれる

エージェントは企業と候補者の中立的立場として存在し、両者がハッピーになるためのマッチングを行います。
クロージングのやり方に正解はありませんし、必ずしもオファー面談を実施しないといけないわけではありません。
あくまでケースバイケースなので、その候補者や状況にあった方法や手段を選ぶべきだと思いますが、エージェントは中立の立場として両者の本音を聞き、客観的な立場でアドバイスができたり、代行ができる可能性があります。

このように、候補者、企業、エージェントの3つの視点から、「クロージング」について書いてまいりました。今後の採用の参考としてご活用いただければと思います。

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