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「ライターと小説家」

 上記の二つの言葉は日本語を書く仕事で、多分、同じであると勘違いしている人もいるだろう。
 例えば、「小説家」を英語で言うと「ライター」になるとかという勘違いである。
 「ライター」と「小説家」は全く違う。別次元である。
 わたしは、ライター業もやっている。
 依頼者がいてこういう内容の「記事」を6000字数位で書いていただけますか?と仕事の依頼が来る。もちろん、断ることはできる。
 それと1字数いくらで、全部でこれくらいの予算で、締め切りはいつまでまでに欲しいのです、と言ってくる。さらに、気に入らないところがあれば記事を手直ししてくれますか、とも言ってくる。
 わたしの場合は、1記事を2万円程度で引き受け、気に入らない点は何回でも手直しすることにしている。サービス業であるからだ。
 働いた時で1日3記事を書き、2万円×3記事で6万円だ。すごくきついが、10日働いて、60万円とよい収入になる。
 信じられないかもしれないが、駆け出しの頃、すなわち、ライターを始めたての頃は、1記事400円という低価格であった。妻からは批難ごうごうでやめなさい、そんなことするならゴミ収集でも行ってきなさいよ、といじめられた。今は、10年以上、その依頼主の仕事を引き受け信頼関係もできている。これはやってはいけないことなのだが、わたしが責任を負うということで妻や娘に書かせたことがある。できはわるくはないが、時間のかかり過ぎでお金にはならない。
 ライター業がおもしろく夢中になった時は、お昼も食べずに働いた。それだけ、夢中になることができたのだ。
 わたしの書いた文章を編集する編集者がいる。彼とも仲が良い。
 このライター業の良いところは、サラリーマンと違い会社へ行く必要がないところだ。働く時間が自由に使えるところは、自由業にあっている。さらに、書き溜めておくこともできるところだ。
 必ず、書きながら次に書く記事のプロットを考える。

 「小説家」は、自由業になると思う。 
 有名になり名前だけで本が売れれば、こういうものを書いてほしいという依頼がくるのであろう。
 小説家の文章は、「創作」である。そこが、ライターと一番違う。
 ライターは、「既成の知識」がもとになり、それがすべてであるが、「小説家」は、「無」から「作品」を創造力で創り出さなくてはならない。
 自由に書けると言えばそれまでだが。
 ネタ・題材をさがし、プロットをつくり、創造力を働かせて書いて行かなければならないその姿はたくましいとしか言いようがない。

 疑問に思うことがあるのだが、「ビジネスレター書き」というのはどういう仕事を言うのであろうか? わたしは、会社員経験ゼロ、会社の見学や見に行ったことさえないので分からない。調べる気にもならない。
 知らなくても不自由しないし、生きていけるからだ。
 

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