青山新の2022年にできたものと2023年について
青山新が2022年に大きく関わったものについて振り返り、2023年に大きく関わりたいものについて少し話します。これを読んで「面白い」「何かつくってほしい」「一緒につくりたい」などと思った方がいましたら、お気軽にTwitterのDMもしくは 0ry265587294g8j@gmail.com にご連絡ください。
#2022
2021年は『異常論文』に寄稿したり修論を書いたりと、ここ数年の個人的なテーマであった「都市—儀式—微生物」について(ひとまず)まとめられた年でした。
2022年はそこから次の展開を模索しつつ、さまざまなジャンルの活動に携われたかなと思っています。特に未来館での小説の展示や〈anon press〉の創刊などは、テキストを軸としつつ、より広いリーチへと向かう試みになったのではないかと。
いずれにしても、活動を通じて新しい人と出会ったり、これまでのつながりがより強固になったりと全体的に嬉しい一年でした。
以下、個別に活動を紹介します。まとめ方はscrapboxと基本的に同一です。
#Writing
【創作】 「以顔繪」
「小説すばる」のフラッシュフィクション企画「千字一話」に寄稿しました。似ていない似顔絵を描く似顔絵屋にまつわる小説です。
美容整形・ルッキズム/観相学・骨相学/サイバーパンクを再接続しながら都市について考えたい、という気持ちから生まれたスタディ的な作品でした。お話的なオチを(一応)つけることを意識するきっかけになった、という意味でも重要でした。
【エッセイ】 「香りとテキストにまつわるフレーバーテキスト」
麻布のお香専門店・香雅堂のオウンドメディア企画の一環に寄稿しました。香水の説明文やレビューを「フレイバーテキスト」として読む/語るエッセイです。
ここ数年、香水を中心とする嗅覚コンテンツへの関心が高まっていたのですが、単なる香りのレビューではない語り方として何があるかな、ということで実験的にやってみたものです。そもそも僕のテキストはフレイバーテキストみが強いものが多いので、それらを振り返るきっかけにもなったかなと思います。
【展示】 「ココ・イン・ザ・ルーム」
4月からはじまった日本科学未来館の常設展示に参加しました。都市と微生物がテーマで、犬の「ココ」を軸に数十年後の都市に棲む家族を描いた、5つの連作短編を展示しています。
「小説を展示するとは」ということで、お話の構成などにいろいろと工夫のしがいがありました。実空間の冊子・PDF・オーディオノベル、とそれぞれで鑑賞できるように展開できたのは嬉しかったですね。こういうメディアミックス的なアプローチは今後もどんどんやっていきたいです。
【エッセイ】 「もの言わぬ肉体をかき分けることについて——タトゥー、ファッション、テキスト——」
ZOZO NEXTのオウンドメディアであるFASHION TECH NEWSのリレーコラムに寄稿しました。タトゥーを軸に世界や他者とのインターフェースについての諸々を書いています。
香水やタトゥーはどちらも、極端なプライベート性とパブリック性を併存させているように見えるのが興味深いです。そして香りや痛みといった不可視で共有の難しい存在であるという意味で、微生物に対する関心の延長にも位置付けられるでしょう。まあ、それらを抜きにしてもファッションは好きなので、今後もっと関わっていきたいなと改めて思いました。
【座談会】 長谷川愛・江永泉・青山新 座談会「未来の友達」
〈anon press〉の座談会企画で、江永泉さん長谷川愛さんの対談に司会として参加しました。
「ひとり出版社」ではないですが、企画を立て、人を集め、進行をし、記事化し、グラフィックを加え、メディアで公開するところまでひととおりできると嬉しいなというか、そうしないとわからないことが多いなと思いました。ファシリテーションはもっとうまくなりたいですね。
#Design & Art Works
【受賞】 「Bio Sculpture」
奇しくも最後となった「第25回文化庁メディア芸術祭」のアート部門にて、慶應SFC田中浩也研究室+METACITYによるプロジェクト「Bio Sculpture」が「ソーシャル・インパクト賞」を受賞しました。「Bio Sculpture」は「超大型の3Dプリンタで土を出力して環境とインタラクションしよう」といった感じの作品で、修士時代に携わっていました。
微生物から都市、地球環境まで横断的に扱うのは、テキストならともかく実際にはなかなか難しいので、よい機会でした。今後はアカデミアとは違うアプローチで、こうした実践に関わっていけたらと思います。
【ワークショップ】 「"現実"の自給自足展」
2/14~2/24に開催された展示「"現実"の自給自足展」の企画「SFドローイング」に出演しました。これは他のメンバーとドローイングを通じて、展示作品の展開可能性を思索してみる、という試みでした。
SFには大喜利的要素というか、あらゆるものをテーマにしてパロディをつくれるという特性があるように思うのですが、そうしたアクロバットな読み替えのプロセスそのものが展示やワークショップになるのは面白かったです。フォーマットを整えてもっといろんな展覧会で実施したり、アーティストトーク企画のオプションとかでやれたらいいなと思いました。こういう職能を横に展開するやつは随時考えていきたいですね。
【メディアプロジェクト】 〈anon press〉
アノン株式会社の元、樋口恭介さんと一緒に、未来にまつわる各種コンテンツを発表するウェブメディア〈anon press〉を立ち上げました。一応、編集長ということになっています。応募作品を全部読んだり、書いてほしい人に依頼したり、記事を編集したり、ヴィジュアルまわりをつくったり、宣伝したりをしています。
僕はそもそもガチガチのSF畑から出てきた人間ではないので、こういう懐の広いメディアを自分で持っていることで、かなり自由度が増したなという感じがあります。まだ奇抜なSF掌編や幻想文学を載せるメディアだと思われている節がありますが、今後はもっと色々な形式のものを展開していきたいです。
#Others
その他、SFプロトタイピングやそのディレクション、ウェブ記事のインタビュー・執筆・編集などにいくつか携わりました。
#2023
2023年は、1,2月ごろから短めの創作がちょろちょろと出てくる予定です。長編も書いているのですが、これは別に依頼などではないので、粛々とやっていきます。
また、テキストオンリーではないアウトプットの計画を進めているので、はやくお披露目できるよう頑張ります。
あとは〈anon press〉をしっかり持続・展開していきたいですね。形式やプラットフォームにはこだわりないので逐次変身していく可能性ありますが、取り組み自体は妥当性のある限り続けていけたらと思います。
これを読んで「面白い」「何かつくってほしい」「一緒につくりたい」などと思った方がいましたら、お気軽にTwitterのDMもしくは 0ry265587294g8j@gmail.com にご連絡ください。もっと過去の作品や活動については、以下のポートフォリオに詳しいです。
というわけで、2023年もみなさまどうぞよろしくお願いします。
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