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【海外進出】味の素がカンボジアで愛される理由とは?

こんにちは!JCI LABのインターン生、まるこです。

JCI LABは、カンボジアと日本のビジネスを繋ぐことをミッションとしています。カンボジア情報をお届けし、カンボジアファンを増やしたい。そして両国をいろんな形で繋ぐことを夢見ています!


近年目覚ましい経済成長を遂げるASEAN諸国の中で、特にその勢いが著しいカンボジア。豊富な労働力、親日的な国民性など、日系企業にとって魅力的な市場要素が揃っており、これまで1,300社以上もの企業が進出を果たしています。

しかし、海外進出先にカンボジアを選ぶことに不安を抱く方も多いのではないでしょうか。治安は大丈夫?手続きは複雑?どんな企業が成功している?など様々な疑問があるかと思います。

そこで今回から、新シリーズ:カンボジア進出企業紹介をスタートします!
実際にカンボジアに進出して現地で事業を成長させている日系企業の事例を紹介することで、カンボジア経済や海外進出について皆さんに具体的にイメージしていただけるかと思います。

第一回となる今回は、カンボジアで日本のイメージとして定着している、意外な食品メーカーです。




カンボジア経済の基本をおさらい

<基本情報>
人口:
約1,700万人(2023年)
GDP: 約309億ドル(2023年)
政治体制: 立憲君主制(民主主義)
通貨: リエル、米ドル ※米ドルが流通市場の85%を占める
時差: 日本より2時間遅れ
治安: 首都プノンペンは比較的安定してきているが、スリやひったくりなどの軽犯罪には注意が必要
物価: 東南アジアの中でも物価が安い国。近年の経済成長に伴い、特に都市部では物価上昇が見られる
言語: クメール語が公用語だが、英語も通じる場所が多い
宗教: 仏教が主流

出典:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/cambodia/data.html

カンボジアは安定した経済成長を続けており、IMFによる東南アジア各国の2024年のGDP成長率予測にて1位になるなど今まさに発展が期待されている注目の国です。
主要産業は、農業縫製業観光業などで、近年は政府が力を入れている自動車産業やIT産業も急速に成長しています。

詳しくは過去記事もご覧ください。↓

日系企業進出の概況

カンボジアへの日本企業進出は1990年代から始まり、近年は特に活発化しています。2022年時点では約1,300社の日系企業がカンボジアに進出しています。

進出企業の業種は、製造業、サービス業、小売業など様々です。IT企業やスタートアップ企業が次なる事業拠点としてカンボジアを選択し進出するケースも増えてきています。


カンボジア経済についてなんとなく掴めていただけたでしょうか?次に、早速カンボジアに進出している日本企業を見ていきましょう!

日本といえば味の素?!


https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/groupworldwide/offices/cambodia/

味の素カンボジア社(AJINOMOTO CAMBODIA)
設立:2009年
事業内容:調味料を中心とした製造および国内向け販売
国内に五つの営業拠点を持ち、全ての州・都市で製品が販売されている。
プノンペン経済特区に工場を設立し、現地での生産・包装を行う。

公式HPはこちら:https://ajinomoto.com.kh/

そう、カンボジアで日本のイメージとして定着している食品メーカーとは、味の素社のことなんです。

まずはカンボジアで扱われている商品ラインナップを少しだけ紹介↓

  • うま味調味料「AJI-NO-MOTO®」

公式HPより

お馴染みの「味の素」。日本のものとほぼ同じようです。ただし、生産・梱包から現地(プノンペン経済特区)で行っている、made in カンボジアの商品です。

  • 風味調味料「RosDee®」


公式HPより

こちらは日本ではまず見かけませんよね。
RosDee(ロッディ)というコンソメのような調味料で、元々タイ市場向けに現地のニーズに合わせて開発されたものなのだそうですが、カンボジアでも非常に人気なんです。

他にも、Birdyというインスタントコーヒーの粉末やYumYumというインスタントラーメンなど東南アジア市場に向けた独自の製品が展開されています。


カンボジアで「日本ブランド=味の素」とまで定着した、海外進出戦略とは?

①カンボジアの基礎調味料として活躍

味の素やロッディは、カンボジアの伝統料理や庶民料理に多く使用され、カンボジアの人々の食生活や食文化を支える重要な調味料の一つとして定着してきました。

私もカンボジア滞在中に何回かスーパーを訪れましたが、どこでも置いてありました!

味の素カンボジア社のホームページでは、LokLakや炒飯など、カンボジアで広く食べられている料理を味の素製品を使って作るレシピがたくさん紹介されています。


②国民に親しまれるテレビCMの放送

味の素は、カンボジア市場における認知度を高めるため、10年以上にわたりテレビCMを継続的に放映してきました。特に、2013年から放送されている「AJINOMOTO, Hai」のキャッチコピーは、国民に広く親しまれています。

このCMは、味の素がカンボジアの料理にどのように使われているかを訴求しており、現地の人々の食生活に欠かせない調味料としてのイメージを定着させることに成功しました。


③Facebookの活用、ユニークな発信内容

カンボジアでは日本と異なり、Facebookを国民の約8割が使っていると言われているほど、圧倒的な利用率を記録しています。

味の素カンボジア社もFacebookを活用しており、11万人以上のフォロワーがいる人気アカウントになっています。

https://www.facebook.com/ajinomotokh


  • 味の素の製品を使ったレシピ

  • 料理の写真

  • 正解者には抽選で景品が当たるクイズ

  • カンボジアの文化や食に関する情報

などのコンテンツをほぼ毎日投稿していて、数百件のいいねがある投稿もたくさん。

ユーザーへの問いかけやクイズなどを行うことで、見ていて楽しいアカウントになり、コメントも多くついています。

また販促スタッフを募集する投稿もあり、Facebookは求人にも有効なツールだと言えそうです。


カンボジア進出の優位性は何?治安などは大丈夫?

まだまだ途上国という印象が強いカンボジア。上記のような不安を抱く方も多いのではないでしょうか。

これに関して、JETROの公式Youtubeで公開されている社長へのインタビューから、特に興味深い内容を抜粋してご紹介します。


ー他国と比較したカンボジアの優位性は?

「色々あるが、民間企業と政府機関の距離が非常に近いという点は大きい。外資系企業も例外ではなく政府が社会の発展とビジネスを積極的に後押ししようとする意思が感じられる。」
とのことです。

以下のように、カンボジアは外資参入を求めており、税制優遇手続きの簡素化など、政府によって海外進出には良い条件が整えられています。(継続的に改正中)

カンボジア政府は新投資法による優遇措置の強化をてこに、外資誘致を促進し、産業の多角化・高度化を推進しようとしている。また、生産性向上を目指した人材育成やインフラ改善への注力も引き続き求められる。

出典:JETROのカンボジア経済レポート


ーカンボジアでの生活は安全か?

「日常生活で危機を感じることはほとんどない。プノンペンでは交通渋滞がひどいが、主要交通道路や上下水道などのインフラ整備は急ピッチで進められており、今後改善されることが期待される。」

私もプノンペンとシェムリアップに滞在したことがありますが、海外旅行で必須の基本的な注意を怠らなければ危ないことはなく、治安は問題ないと感じました。現地の方々も笑顔が素敵で親切な方が多かったです^^

また、パンデミック中に道路整備が大幅に進んだそうで、私が2024年3月にプノンペンを訪れた際は舗装がとても綺麗で驚きました!

今後もカンボジア国内市場での拡大を目指す!

味の素カンボジア社は、人口は少ないものの、カンボジアの一人当たりの売り上げは他のASEAN諸国と比べても伸長のポテンシャルが高いとして、国内市場向けの生産を拡大していくそうです。

既存の製品生産の拡大だけでなく事業領域展開も増やしていき、「カンボジアで最も親しみのある食品会社」を目指していくとのこと。


終わりに

以上、味の素カンボジア社とその戦略のご紹介でした!

味の素という日本でのヒット商品を現地の料理と組み合わせてPRするとともに、現地のニーズを捉え、独自の商品を展開することでカンボジアの文化に根ざした企業になっているのですね。

また、テレビCMやFacebookを活用して、全国民が親しみやすいようなブランディングを行なっています。

第一弾の今回は食品メーカーでしたが、以降、製造業や小売業のカンボジア進出企業も紹介していきます。ぜひJCI LABをフォローして更新をお待ちください!



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