13連勤の中日に「副業」を考える
5連休を取得し、断食道場(本原稿の写真はすべて断食道場のものです)に行った後は13連勤。本日その中日の7日目です。とはいっても、平日と土日の勤務先は違います。つまり週末は世に言う「副業」をしているわけです。13連勤中に原稿の締切とかもあって、本業もなかなか課題過多で予定委が詰まりまくってます。夜は呑まないといけませんし…。
「副業」が世の中の話題となっています。国も後押しするかごとくの発言をしています。就業規則上、解禁とする企業も増えています。それに対して法律等の制度面での支援・対応は遅々として進んでいません。ちょっと「副業」については自ら実践しながら感じることも多いので、何回かに分けて整理してみたいと思います。
私のメインの「副業」は、GCDFというキャリアカウンセラー向け講座のトレーナーです。全12回のコースのクラス担当トレーナーを毎週末やっています。今は先月に開講したクラスの8回目のクラスが終わったところです。それ以外には、講演や執筆を時折という感じです。ささやかですが連載も2つ担当しています。で、平日は普通に人事部長をやっています。
GCDFのトレーナーは、今のところとてもワクワクする仕事です。様々な年代の社会人が集い、毎週ともに学んでいます。自分自身も学びの多い仕事です。
私自身、この講座に2003年に通っていました。この講座に通ったことが自分の人生を少なからず変えたかなという気もします。まだまだ「キャリア」という概念が今のようにメジャーではない頃でした。受講をして資格を取得し、ささやかに実践もしつつ、さらに学びも続けました。GCDFのコースを提供するキャリアカウンセリング協会が主催する様々な有料勉強会にもいろいろと行きましたし、自主勉協会も多数開催しました。また、日本キャリアデザイン学会にも加入し、学会発表をした時期もありますし、今は学会運営のお手伝いをしています。慶應丸の内シティキャンパスの「キャリアアドバイザー養成講座」の卒業生向けに提供いただいている花田先生のスーパービジョンにも毎年参加してきました。これらはすべて基本的に夜と週末に開催されます。多大な自分の時間と、多大な費用をキャリアという分野に費やしてきました。2009年にはキャリアカウンセリング協会が新たに立ち上げたスーパーバイザー養成講座の1期生として毎週日曜日に半年ほど学びました。転職直後でもあり、欠席ゼロで通うのはかなりしんどかったです。
これらの学びは、将来への布石などということは何も考えず、純粋にやりたいという気持ちで進めていました。もちろん仕事との相乗効果はありますし、素敵な出会いもたくさんあります。でも、どちらかというと、というか完全に趣味として取り組んできたといっていいでしょう。これは経営学習研究所の活動で週末にワークショップを開催したりするのも同様です。よく言うのですが、休みの日に朝から草野球に出掛ける方や、少年サッカーのコーチにいそしむ方と気持ち・スタンスは同じなんじゃないかなぁと思います。
その延長上で、GCDFのトレーナーをさせていただく機会を数年前にいただきました。で、最近は週末をこれに費やしているのですが、自分が受講していたときと基本的な気持ちは変わりません。ただ、面白いことに、これまでは受講料を支払って参加していたものが、今はささやかながら報酬を得ています。もちろんプロフェッショナルとしての責任感はきちんと持っています。でも、学ぶ立場の時もそれはそこそこあったように思います。報酬をもらうようになるとこれは「趣味」ではなく、「副業」と呼ばれるようになりました。
こう考えると、「副業」とは趣味がマネタイズされたものとみることもできるかもしれません。もちろん経済的ニーズで「副業」をされている方もたくさんいらっしゃるので、自分の今はとても幸せなんだと思います。ただ、経済的目的以外で「副業」をすることが自己目的化するような風潮には何となく違和感があります。「さあ、世の中、大副業時代です。あなたはどんな副業をやりますか」みたいな投げかけの広告をみたりすると、激しい違和感を覚えます。本業がお休みの日に多大な時間を投入するわけです。経済的な理由からやむを得ないケースを除いては、もともと好きなことに費やしたい時間ですし、そうでなければとてもストレスフルな状況に陥りかねません。週末は好きなことをやりたい、この思いは大切だと思います。
あと、1つだけ「副業」をやっていて副次的にいいことがあります。私は以前は週末出勤当たり前の生活をしていました。でも、今は違います。物理的に週末は本業ができないので、本業の生産性を格段に上げるようにしています。時間の使い方が変わります。
私にはもっと別の趣味があります。それは「酒場浴」。素敵な酒場を1人もくしは少人数で巡ることです。この趣味もいつか突き詰めることでマネタイズされるようになると「副業」と呼ばれるようになるのでしょうか。それって、いいなぁ。頑張ろう。
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