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ホッピーに焼酎入れて呑める幸せ

焼酎入れないホッピーも悪くはなかったけど、やっぱり酒場のカウンターで焼酎入れたホッピーを呑める幸せは格別。割り材としての本領が発揮される。そんな幸せが奪われていた日々、でも呑み手はまだいい。提供する側のせつなさは比較にならないだろう。飲食店すべてがそうなんだけども、中でも「バーテンダー」と「お燗番」という職業にとっては、切なすぎる日々だったと思う。おそらく日本の戦後市場初めて国が(正確には都道府県かな)、特定の職業を事実上名指して禁じたのだから。プロフェッショナルとしてのアイデンティティを踏みにじられたともいえる。酒類提供自粛というのは、「バーテンダー」と「お燗番」にとってはそういうことだ。

自分は人事という仕事をしているけど、何かの都合で人事の仕事を自粛しろといわれたらどうだろう。この仕事は組織にとって必要で、かつ大好きな仕事。しばらくは総務か営業の仕事でも手伝って過ごすだろうけど、人事という仕事を必要としている人も間違いなくいるし、それを自分ができるのにサービスを提供できない。まあ、そんなことは起こらないと思うけど、想像すると相当に切ない。そんなことが現実になっちゃった人たちがいるわけだ。だから、ホッピーに焼酎を入れて呑める幸せを失っちゃいけない。お燗番にお任せした銘柄を絶妙の温度で燗酒つけていただく、バーテンダーと相談しながら次のカクテルをいただく、そんな呑み手の幸せは、提供側の幸せでもある。双方が幸せになれる職業は素晴らしい。

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