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人事パーソンがキャリコンを目指さなければきつい理由

キャリアカウンセラーの養成講座のトレーナーを副業でやっていますが、私が受講した時期(大昔ですが)に比較して、人事パーソンの受講者がとても増えているように感じます。特に若手の受講が多いです。とてもよいことだと個人的には思うのですが、「なぜとてもよいと思うのか」について少し真面目に考えてみました。こないだの「モール・ナイト・ニッポン」で1分間の制限時間でお話したことの再整理みたいな感じです。

① 求められるコミュニケーションが「話す」から「聴く」に変わりつつあること

経営や労働組合と調整しつつ施策を立案して社内に通知してそれを運用するという旧来型の行政機関型人事部が成り立ったのは、日本型人事システムの中で、誰もが同じ夢をみて、同じ仕組みの中で、同じように仕事をしていたからです。これって既にはるか過去の話です。このようなシステムの下では、施策をどう伝えて適正に運用するのかが重要ですから、求められるコミュニケーションは「話す」「OUTPUT」です。企画書の作成力や、プレゼン能力、情緒的に巻き込む力があれば何とかなります。この重要性は今も変わらないのですが、今の人事部は「INPUT」なしでは「OUTPUT」ができません。労働組合が意見集約をしてくれるような楽な仕事ができる(失礼!少し偏見入ってます)人事部は、世の中のほんの一握りになっています。労働組合がある企業を経験したことも、イメージすることすらできない人事パーソンの方が圧倒的多数でしょう。

当たり前なんですが、社内の声は「聴く」努力をしなければ入ってこないのです。そして、社内の声はますます多様化しています。「聴く」ことの重要性は高まります。人事の役割に組織開発や個人のキャリア支援を加えるのであれば、なおさらのことです。「聴く」ことのない組織開発はありえませんよね。でも、簡単にいうのですが、やってみると「聴く」って難しいんです。実は私たちは「聴く」教育をほとんど受けていません。「話す」教育は、発表・プレゼンなどの機会を経てそれなりに受けているのですが、これは不思議なことです。

キャリアカウンセラーは「聴く」ことのプロフェッショナルです。というか、コミュニケーションのプロフェッショナルです。そうでなければいけません。そして、今や人事パーソンも「聴く」ことのプロフェッショナル、コミュニケーションのプロフェッショナルであることが求められているのです。そして、意外と手近にそれを学ぶコンテンツはありません。キャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントの学習は、「聴く」こととコミュニケーションの企業内プロフェッショナルになるために、おそらく今、もっとも手近な方法なのです。

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② ますますマクロ的総合的な視野が求められている

次は①ほど大きくはありません。念のために付け加えておく程度です。

人事パーソンはもはや自分の担当領域の知識だけを深堀してもよい仕事はできません。マクロ的な視野を得る必要かがあります。今回のコロナ禍の中で、誰もがあらためて感じたことではないでしょうか。キャリアカウンセラーは2つの意味で、極めて難しいカウンセリングだといわれています。1つは、解決までの期間が決められているケースが多いこと。異動の内示をされたんだけどどうしよう、就活が決まらないんだけどもう卒業が近い、などなどのケースを考えると想像しやすいかと思います。

もう一つは相談内容が多岐にわたり、カウンセラー側それなりに多岐にわたる知識・常識の理解が必要であることです。企業人相手のキャリアカウンセラーであれば、キャリアやカウンセリングに関する知識だけではなく、ビジネスの常識、相談者の業界や職種の特徴、労働関係の法律、労働市場マーケット、はたまたメンタルヘルスの問題など、理解しておいた方がよい分野は本当に多岐にわたります。キャリコンの講座ではこれらを網羅的に扱います。こういった場も意外と少ないのです。

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コロナ禍で人を集めるイベントは苦戦しています。私が担当しているGCDFというキャリアカウンセラーの養成講座では、オールWEBの講座も立ち上げています。結構、WEBでも無理なくできるものだなと実感しています。逆に地方の方には非常によいチャンスのようにも思います。是非、一緒に学びましょう。そして、もっともっとこの国の人事の品質を高めていきましょう。











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