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学ぶこと、2020


キャリアカウンセラー養成講座であるGCDFのトレーナーをやっていて、学ばされること、深く考えさせられることがたくさんあります。

最近の受講生は、比較的若い層が多くなっています。若い受講生にとって、年上のクライアントの理解がとても難しい。難しいだけならよいのですが、年上のクライアントがくるだけで不安になることが多いわけです。これ、確かに自分もそうでした。30代の勉強したての頃は、「55歳、役職定年を迎えたばかりの男性会社員」、そんな設定のロープレだと、あからさまに自分の感情が「いやだなぁ」といったものです。自分がその年になれば、自然と理解できることも多いのですが、まだ自分が経験をしていない年齢層のクライアントに対峙するのは、確かに容易ではありません。ただ、不安感に包まれながらクライアントへの対応をすることは、けして良いことではありません。

不安は、対象が特定されない恐怖だといいます。そのために不安を和らげるためには、対象を特定すること、特定された対象について理解し、対応することが大切です。

そのために私たちができることは、学ぶことのみです。キャリア発達論を学んだり、実際のその年代の人の話を聞くことにより、いろいろと知ることができます。そして、あとは実践あるのみです。

学ぶことにより、知ることができ、不安が薄れ、そこはかとない自信が芽生えることもあります。これが大切です。障害者やLGBTの方々への対応も同じです。知らないと、どうしていいのか不安になりますが、知ることにより、その不安は薄らぎます。学ぶことは実に大切です。

社会に出るのが不安だという学生であれば、社会人の話を聞いてみたり、就職活動的な業界研究などをしてみることにより、漠然とした不安は、具体的な越えるべき目標に変わっていったりもします。

世の中のいさかいの大半は、相手から学ぶこと、相手を知ることの努力を放棄したところから生まれているといえます。学ぶことは、究極的には世界平和に結びつきます。これ、間違いないと思います。

2020年、初心に返って学ぶことに真摯になりたいと思います。高い受講料を払って、毎週の休みを費やして一生懸命に学びにきてくれている受講生と相対していると、学ぶことに真摯な人でなければ、人に教える資格などないと実感する日々です。教える役割の人は、受講生の倍は学ばないといけません。

では、よい学びをするためには、何が必要か。
ヨガなどの呼吸法では、吐き呼吸に意識を集中させ、吸い呼吸は自然体ですればいいといったことが言われます。ちょうど深呼吸の逆の感じです。学ぶことも同じだと思います。吐き呼吸とはアウトプット、吸い呼吸とはインプット、つまり学ぶこと。よい学びのためには、よいアウトプットが大切なのです。学ぶことが自己目的化すると、吸い呼吸ばかりが意識されます。そうではなく、吐き呼吸であるアウトプットをしっかり意識すれば、自ずとよい学びができる、呼吸法と学びは同じだなと感じます。「いきなり人事に異動して面接や面談をするんだけど、こんな自己流でいいのかと不安になって」「ずっと人事で仕事をしてるんだけど、一度ちゃんと体系的に人との接し方を学ぶ必要があると痛感して」などといった受講動機の方がよく来られます。まさに吐き呼吸と吸い呼吸を健全と回そうとする学びです。

2020年、よき学びのために、よきアウトプットをしないといけません。場はいろいろあります。また、場は創るものです。あと残り364日。何ができるか楽しみですね。

※写真は小湊鉄道。特に本文との直接的関連はありません。

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