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水族館事業の軌跡

皆さん、こんにちは!
JCEL株式会社 代表の三坂です。

前回の私の記事では、「H2Hマーケティング」と題して、マーケティングについて改めて、人間主体の目線で考えました。

まだご覧になっていない方は、前回の記事も併せてご覧ください!

水族館事業の軌跡

今年でJCEL(株)は5年目を迎えることとなりました。

これもクライアント様を始め、関係者の皆様のご厚意の賜物と心より感謝申し上げます。

後述致しますが、JCEL(株)は設立当初より5年をひとつの区切りと考えてスタート致しました。

設立時に諸先輩方からは「会社というのは一旦創業させたら存続させ続けることが肝要」と激励の言葉をいただき、常にそれを肝に銘じて励んでいます。

一方で、物事というのは一旦動き出すと「慣性の法則」というのか、新たな力加えられないとそのまま進んでしまうものです。あっと言う間に世の中が変遷する昨今、「慣性の法則」はリスクと捉え、どんな状況であっても5年で一旦立ち止まって、「このまま進むのか?」「軌道修正するのか?」、場合によっては「根本から生まれ変わるのか?」を熟考すると決めたのです。

その節目の年を迎えるに当たって、今回の記事ではこれまでの自らの「水族館事業の軌跡」を振りかえってみたいと思います。

自分でもいつの間にか見失っていた大切なことを思い出せることを期待して!

青天の霹靂

私の水族館人生は神奈川県の「新江ノ島水族館」でスタートしました。

1954年の開業以来、半世紀に亘り国内の水族館業界を牽引してきた「江の島水族館」が前身です。江の島水族館と言えば、神奈川県民はもちろんのこと関東近県の方なら一度は足を運んだことがある程の老舗水族館。
その江の島水族館がPFI事業として生まれ変わりに挑んだのです。

PFIとは「Private Finance Initiative」の略称で、公共事業を民間の資金やノウハウを活用することでより効率的なサービス提供を実現することを目的としています。

1992年に「小さな政府」を目指していた英国で生まれた手法で、日本では1999年に「PFI法」が施行され、江の島水族館の取り組みは国内でも先駆けの事例でした。

江の島水族館PFI事業は私の前職である金融機関O社が代表幹事を務めるコンソーシアムが落札、事業準備が始まりました。

O社は「金は出すけど、口も手も出す」企業で有名でしたが、さすがに水族館事業についての経験値はゼロです。

当時、私は当該事業とはまったく無関係の部署に所属しており「我が社のチャレンジ精神には敬服するが、『水族館』とはちょっとやり過ぎでは?そもそも水族館事業が儲かるなんて聞いたことがない。担当者は気の毒だなあ。」と他人事だったことを記憶しています。

事業準備は着々と進捗し、金融ノウハウ豊富なO社はファイナンススキームを組み上げ、いよいよ運営体制の構築フェーズに入ってきました。前述したようにO社にはファイナンスのノウハウはあっても水族館運営の経験値は皆無です。

そんなある日、当該事業の現場責任者に私が抜擢されたのです!
「そんな馬鹿な!」

私自身、水族館はもちろん魚にもまったく興味が無いし、そもそも水族館なんて小学校の遠足で江の島水族館に行って以来足を運んだことも無い!(あっ、江の島水族館に行ったことあるんだ…)

社内の誰しもが「ババ引かされたなぁ~」と憐みの眼差しで私を見詰めていました。

ここから、水族館の素人の悪戦苦闘の日々がスタートします。

次回は「既成概念をぶち壊す」と題して、業界にほんの小さな変革を起こした事例をご紹介します!

(続く…)


JCEL株式会社 代表取締役 三坂伸也

三坂伸也の略歴

一級建築士

早稲田大学理工学部を卒業。
1985年大成建設(株)入社。
1989年オリックス(株)入社。

オリックス不動産(株)水族館事業部長、オリックス水族館(株)常務執行役員を経て、2014年12月オリックス水族館(株)代表取締役に就任。

京都水族館(京都市下京区)、すみだ水族館(東京都墨田区)の開発・運営責任者として陣頭指揮を執る。

2019年 2月JCEL(株)設立、代表取締役社長に就任
JCEL株式会社
国内で常に新たな水族館の形に挑戦をしてきた三坂伸也が代表を務めるJCEL株式会社。満を持して海外へ進出、「水族館の公園化」