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H2Hマーケティング

皆さん、こんにちは!
JCEL株式会社 代表の三坂です。

前回の私の記事では、「環境と思考スイッチ」と題して、自分のいる環境が頭の働き方に及ぼす影響について考えました。

まだご覧になっていない方は、前回の記事も併せてご覧ください!

人間主体のマーケティング

今回は自分にとって門外漢のマーケティングについて語りたいと思います。

昨今、「マーケティングの神様」と称される世界的な経営学者フィリップ・コトラーが提唱する「H2H(ヒューマン・トゥ・ヒューマン)マーケティング」が話題となっているそうです。

コトラー曰く、

H2Hマーケティングとは、Human to Human Marketing、すなわち人間を中核に据えた、人間主体のマーケティングである

具体的には、H2Hマーケティングの骨格は「S-DL(サービス-ドミナント・ロジック)」と「デザイン思考」と「デジタライゼーション」を3本柱とし、「H2Hマインドセット」と「H2Hマネジメント」と「H2Hプロセス」という3層構造をなす…

『「人間中心マーケティング」の理論と実践 』- フィリップ・コトラー

と、この時点で私にはこれらのマーケティング用語は理解不能なのですが…

ちょっと待って!

「人間を中核に据えた、人間中心のマーケティング」
それはとても当たり前のことであり、これまで定義されてきた「B2B」「B2C」「C2C」等の次のステージなのではなく、上位概念であり議論の大前提ですよね?

もちろんコトラーはそんなことは百も承知でH2Hマーケティングを提唱していて、「現在のマーケティングは多くの進化と引き換えに信用と効力を失いつつある」とした上で、「マーケティングに人間の役に立つとともに正しい利益を生み出すというかつての力と役割を取り戻して欲しい」という願いが込められているようです。

マーケティングに疎い私は常に「マーケティングは何かを創造するものではなく、創造したプロダクトを検証するツールである」と自分の不勉強の言い訳にして説いてきたのですが、それもあながち間違っていなかったのかも知れません(笑)。

"データで証明できないこと"こそ、大切

そこで重要なのが「創造性」、しかも「直感的な創造性」だと思います。

皆さんの組織での新規事業提案の最大のハードルは「根拠は?」「過去の事例は?」「リスクマネジメントは?」等々、可視化できるデータの必要性ではないでしょうか?

これらを上手に説明するには「新規」というより「更新」に近いものの方が合致しやすいですよね。もちろん「更新」は「進化」とも捉えられるのでまったく否定しませんし、ある意味正しい手法かとも思います。

ただ、「0→1」を生み出すときには「なんとなくいいなぁ」「なんだか好きだなぁ」と言った曖昧で根拠を示せないものが大切だと思います。

もっと言えば、自分が自分の良心に基づいて本当に大好きだと思えることこそが「創造」の源であり、可視化出来ない分析不可能な根拠を示せないものこそ「最大の差別化戦略」ではないでしょうか。

何故なら、「自分の良心に基づいて本当に大好きだと思えること」は誰にも真似できないから。


最後にコトラーの言葉を引用して、

「H2Hマーケティングは、人間と、人間が抱える問題(H2Hの課題)の解決を中心に据え、現在欠けている信用、誠実さ、高潔さ、共感、脆弱性、建設的な対話、サステナビリティ等の問題に取り組んでいく。

マーケティングの人間的な側面を再活性化させ、パーパスと情熱を持つ事業を成功させ、世界をよりよくしていこう


JCEL株式会社 代表取締役 三坂伸也

三坂伸也の略歴

一級建築士

早稲田大学理工学部を卒業。
1985年大成建設(株)入社。
1989年オリックス(株)入社。

オリックス不動産(株)水族館事業部長、オリックス水族館(株)常務執行役員を経て、2014年12月オリックス水族館(株)代表取締役に就任。

京都水族館(京都市下京区)、すみだ水族館(東京都墨田区)の開発・運営責任者として陣頭指揮を執る。

2019年 2月JCEL(株)設立、代表取締役社長に就任
JCEL株式会社
国内で常に新たな水族館の形に挑戦をしてきた三坂伸也が代表を務めるJCEL株式会社。満を持して海外へ進出、「水族館の公園化」