族の集会

水族館の「水族」とはどういう括りなんだろう。水族館には、シャチもナマコもワカメもいる。ということはシャチもナマコもワカメも水族だ。広すぎる括りの水族。水族というカテゴリーに分類されるのに不満を持つ生き物もいることだろう。

水族ということでナマコと同じ水槽に入れられるイルカの戸惑い。

水族ということでナマコと同じ水槽に入れられるペンギン驚き。

水族ということでナマコと同じ水槽に入れられるアザラシの混乱。

何故こんな地味な生き物と、人気者である自分が同じなのかと悩むイルカやペンギン。水槽の底に潜る度にちらつくナマコの姿に曲芸も失敗しがちなイルカ、そしてナマコを踏んでひっくり返るペンギン。ナマコが餌か排泄物か混乱するアザラシ。

訪れた家族の笑顔と対峙する水族達の不満の涙。水族館、それは悲しみの館。

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