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【東京外大英語科の独り言】TOEICを問い直す

一般的に、英語学習といえば、TOEICという考え方がだいぶ浸透しているように思う。本屋さんでも、英語学習コーナーにTOEIC対策本が多く陳列されている。社会人でも、英語の勉強として、TOEICの勉強をする人が多いと思う。

何か資格取得を目標にすることで、勉強のモチベーションが得られる人もいると思うし、TOEICが英語を勉強するきっかけになることはあると思う。それ自体は素晴らしいことだと思う。

ただ、英語の勉強をしたい人が、TOEICの勉強をする必要は必ずしもないと思う。逆に、人によっては、英語学習の入り口としてTOEICなどの資格勉強が合わない人がいると思う。たぶん、僕はそっちのタイプ。

僕の感覚では、
英語ができれば、TOEICの特別な勉強しなくても、当然高得点が取れる。英語が得意だけど、TOEICは苦手ということはないはず。

誤解を恐れずに言うと、それなりのレベルになれば、TOEIC高得点(900点以上?)は珍しくない。日本社会はTOEICが測る英語力を過大評価していると思う。TOEIC満点でも、ネイティブ並みの実力を持つ人もいれば、まだまだの人もたくさんいると思う。かくいう僕も後者だ。(何を隠そう、僕は、最高得点は975点で、そもそも満点を取ったことはない。それで、こんなこと言っても迫力に欠けるかもだけど。)TOEICで測れる英語力の上限はそんなに高くない。

色んな映画を観たり、本を読んだり、インタビューを聞いたり、ニュースを観たり、日記を書いてみたり、自分で色んな英語に触れることで英語力は時間をかけて高まると思う。資格取得を目標に掲げて焦る必要はないし、そもそも一朝一夕で上達はしない。英語学習は、TOEICの対策本を何周かしたら、上達するほど薄いものではない。もっと深みのあるプロセスだと思う。だからこそ、自分のペースで地道に本質的な学習を積み上げていくことが大事だし、それがいちばんの近道。

何歳だとしても、今、TOEICが何点かなんて全然関係ない。TOEICで満点取って満足して学習を止めたりするのがいちばん勿体無い。それより、時間をかけて英語力を育てて、気づいたら、TOEIC満点よりもっともっと高い山を登ることの方が意味があると思う。

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