小さなズレを甘く見ない(金子)2023/07/10
今日の朝礼の話題は「村上春樹のTVピープルを読んだ感想を話す」だった。
(読んだのは一部分のみ)
一生懸命読んだのだが、私の頭では理解できないところが多かった。
喩えが難しかったり、出てくる雑誌や音楽がピンとこなかったり。。。
そもそもの知識や想像力の乏しさが大きな原因なんだと思う。
周りの方々の感想を聞いて「なるほど、そういうことか!」とようやく理解できたのだが、中でも一つ興味深かった話がある。
それは
「自分にとってはものすごく気になることが、他人にとっては全く気にならないことがある。逆も然り。そして、その"ズレ"が大きくなると、人間関係は崩壊することもある」
作中でも部屋を整理整頓しておきたい奥さんと無頓着な主人公の対比が描かれていた。すべてのものを決められた場所に置いておきたい人もいれば、一度使ったものを出しっぱなしにしておいても平気な人もいる。
人間同士、こういった差(ズレ)はたくさんあるはず。
ここでいう差は根本的な価値観の差というよりも、もっと小さくて細かな差。
ちょっとした言葉遣いや立ち振る舞い。直そうと思えば直せそう、変えようと思えば変えれそうなレベル。
だがこの小さくて細かな差が積み上がると、いつの間にか人間関係は修復不可能な状態にまで悪化してしまうことがある。
相手が突然、自分の目の前からいなくなってしまうことすらある。
消失された側はひどく困惑する。
「なんで?」
「思い当たる節はあるけど、いなくなるまでのこと?」
罪の意識は低い。
そんな話を聞いていて、これは仕事にも通じる話だと思った。
クライアントとのちょっとした"ズレ"が積み重なると、いつの間にか取り返しのつかない事態に陥ってしまう。
連絡が遅い、言われたことをやらない、言葉遣いが正しくない。
一つひとつは小さなこと(小さくもないけど)かもしれないが、ある瞬間に爆発し、関係性は修復不可能に。
担当者変更を打診されたり、最悪の場合は取引ごと打ち切られてしまったりする。
恥ずかしながら、私自身経験したことがある。
小さなズレを甘く見ない。ズレる前に軌道修正する。肝に銘じたい。
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